兵庫県西宮市の「なつクリニック皮膚科・形成外科」のブログです。

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こんにちは。 先日 連休初日に神戸大学形成外科の年次報告会がありましたので参加していまいりました。

スライドで前年度の状況などの報告などを行うのですが、他施設(病院)などの報告を聞くと、いつも感服します。 諸先輩がたのご活躍、ご苦労を伺うと、本当に日々診療に没頭されていて、2~3名ですごい数の手術をこなしている先生方ばかりです。



いつも刺激を受けるのですが、今回もまたその数や伸び率に驚きました。麻酔科医が常在しないことで全身麻酔下の手術枠が確保しにくい中、葛藤されているのには、よほど自分たちの時間を犠牲にし、コメディカルとせめぎあいもありつつも協力してされているのだと思いますが、本当に最近は色んな意味で世知辛いなあと思います。 



さて、年次報告ですが、私自身は、エコツー の少し変わった症例をいくつか提示しました。手術を専門にされている先生方が、これはもうどうしようもないな、と思ってしまいがちな皮膚そのもののテクスチュアを変える事、また 手術の傷跡は絶対に消えることはありません、といっていたものですが、そのわずかな傷あとも より目立たないようにすること。

こんなマニアックな事は、開業医でないと 時間をかけてやるというのは、そんな「世知辛い」状況では難しい上、病院では 自費診療を積極的に行っていない施設ではいろんな縛りが出てきますので、仕方のないところです。 そもそもがそういう機器を導入しにくので。

ですので、発表していて気付きましたが、 私はすごい変化だ、と思って 「すごいでしょ!」と半ば驚きと感動のある症例なのですが、 全くそういうレーザーをしない先生にとっては、大きな変化なのかどうかも実感しにくいところではあるかもしれませんが、少し温度差を感じたので、気付かない内に自分でもマニアックになってきているなあ、と思いました。

また温度差があったのは、 形成外科医や外科医の中では常識の 傷は残る、(すべて好条件がそろった際には 限りなく目立たない事はもちろんあります!が。)という事実に反して、ほとんど消えたように見える症例を ババンと提示できなかったからかもしれませんねえ。


実際には、当院でのエコツー治療 例でも、ほとんど見えなくなった、という症例はあります。ですが、これらの症例は、非常に小さい部分でやっているものが多く、写真でなかなか提示できない事がほとんどです。鼻の周りとか、鼻の穴へと続く傷跡とか。


リストカットくらい目立つものだと提示しやすいのですが、 これらはまだ「消えた」というところまで照射できている症例がありません。


切開重瞼術の、外側の切開線や、 鼻翼縮小術の鼻翼縁の切開線などの、細かい傷跡は、限りなく目立たなく変化させることが可能なので、これらの写真が提示出来たらな~と痛感しました。


来年には来年の症例があり、他の治療も始めていると思いますが、来年は なんとか形成外科という「傷の専門家」の集団に、「ほほ~」と驚きを与えられるような症例をババンと出したいと思います。 今回は珍しい症例だけを提示したので、新人の先生は 何がすごいのか全然わからなかったかもしれません。


学会ではもちろん、傷跡治療としてのエコツー症例を発表をすでにされていらっしゃる先生はいおられるのですが、まったく違う再建などを専門にしていたりすると、そんなレーザーセクションまで聞きに行けないので、そこまで目立たなくしうるとは思っていない先生がまだまだ多いのではないかと思っています。


もちろんいくらレーザーを駆使しても、治療しやすい部位、治療に抗する部位、効果が出にくい部位はありますので、すべての傷が消せるという訳ではありませんが。

ですが、無理だと思っていたことも、少しずつ新しい手技が出てきて、これらの通説が覆されるようになっていけばいいですね。




エコツーによる傷跡治療は、他の人が気にしないほどの傷の方が、やりがいがあるんじゃないか、と最近は思ったりしています。

大がかりな手術が専門の先生にすれば、かなりマニアックだなあと思われるかもしれませんが。




来年の年次報告会での小さな目標ができました。