彼と城下で過ごした、ある寒い冬の夜…――

　
寝所を整えてくれた稲葉が、私の顔を見て微笑む。




稲葉
「今日は、お休みを満喫できたみたいですね」



「え？」

　（彼と二人で城下に行けたし、すごく素敵な一日だったけど…）

「もしかして、顔に出てた？」



稲葉
「はい。いつも以上に、にこにことされていますよ」 ﾆｺｯ
　

「とてもお幸せそうなので、私まで嬉しくなってしまいました」 ﾌｯ



　（全然気づかなかった）




頬に手を当ててみると、確かに緩んでいるような気がする。




「…恥ずかしいな。一人で浮かれてるみたいで」



稲葉
「いえ、きっとお一人ではありませんよ」 ﾌｯ
「あの方も今頃、○○様を思って微笑んでいらっしゃると思います」



「そうだったら嬉しいな」




彼の笑顔を思い出すと、今度こそはっきりと頬が緩んだ。




稲葉
「あ。あまりお喋りをしていると、身体が冷えてしまいますよね」 ！
「何か他に御用はありますか？」



「大丈夫だよ。いつもありがとう」



稲葉
「いえ。では、今夜はここで失礼しますね」
「また明日、朝の支度のお手伝いに参ります。おやすみなさい」 ﾆｺｯ



「おやすみなさい。温かくして眠ってね」




稲葉が静かに部屋を出て行き、一人で褥に横になる。




　（今日は本当に楽しかったな）




彼の事を想うだけで、身体が心から温まる気がする。




　（明日も素敵な一日になりますように）




そう願いながら目を閉じると、
心地いい疲れのおかげか、あっという間に眠りに落ちていった…――

 

 

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目覚めたら、あなたは彼になっていて…




　

九条
「ちゃんと自分の身体で○○を温めたい」

温かな二つの唇が、溶け合うように重なって…――



　ﾟ･*:.｡. .｡.:*･゜ﾟ･*:.｡. .｡.:*･゜ﾟ･*:.｡. .｡.:*･



　

鷹司
「……もう何回か、試しとくか？」 ///

お互いを確かめ合うように、何度も口づけを重ねて…――






身体が入れ替わってしまった、二人の物語。
　

秘密が繋ぐ、二人の絆…

入れ替わる事で初めて知る、彼の想いは…？

 

 

 

 

不思議で甘い、特別な時間を過ごして…――



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