大胆なる繊細さ | 久保田 智博 official blog

大胆なる繊細さ

 恩師、太郎先生の名刺を3枚以上持っている。


 なぜそんなに頂いたのか、深くは覚えていないが、先生はとにかく僕を呼び、フレンドリーに挨拶を交わし、別れ際にはいつも最新の名刺をくれ、表参道の駅まで見送ってくださった。


 太郎先生は政治への関心があったと思う。

 それらしい話を聞いたことがある。


 ただ、ハーバード留学後はそういう発言はまったくなかった。むしろ行政やパブリックセクターに対する違和感について聞くことが多かった。


 政治、行政、役人が直接的に取り扱うのは、制度、予算である。もちろんその後ろには生身の人間が控えているが、あくまでも「システム」をどうするかを考えるのが政治、行政のシゴトだ。


 太郎先生は、もっと別の考え方を持っていらっしゃった。


 システムをいじるよりも、個々の人間を信じて、個々の人間に直接働きかけて、そして社会を変えていく。その方がより直接的だし、より豊かな可能性があると。


 世界の創造は私たちにかかっている。


 それこそが太郎先生が強調したかったことに違いない。そして、世界の創造は、杉村太郎先生にかかっていたことも間違いなかった。


 太郎先生が日本の若者に夢と希望を与え、日本に愛と希望を復活させる。太郎先生が日本を変え、そして世界も変える。先生は間違いなくそれをやれるお方だった。


 すべて大胆にして繊細。


 「自己否定してる? 死ぬ気でやってる?」


 日々、問いかけられているような気がする。



2013 


久保田 智博