ちょっと前のことですが

Kさんという方がいます。

男性で認知症を患ってます。

他の病気の関係で身体がかたく、動かすのも難儀そうです。


この方のおトイレのお手伝いをさせていただいたときのお話です。


つかまり棒につかまってもらいたいのですが
認知症のためこちらの声がけが伝わらないことが多々あります。
自分でもそれがわかるらしく
「違うな」「ああ、うまく言葉が出ない。ちくしょう」
とイライラすることがよくありました。

その日は、もっとKさんがわかりやすいように
言葉を選び、テンポを変えてお手伝いをしました。

スルッとKさんに伝わりとても楽に終えることが出来ました。

するとKさんが私に言ったのです。


「あなたは魔法使いですか?」


うん、Kさん。
私、魔法使いになりたいの。
魔法使い見習いなんだ。
それを教えてくれたのは、Kさん、あなたですよ。