本日で研修が終わりました。

三日前辺りから会うのが最後ってスタッフさんたちがぼちぼち。

嬉しくて、感動して、それを残しておきたくてアップします。


昨日の夕方、私が帰るときに22才の若い女の子のスタッフに

「ニコリ蔵さん!うち、今日で会えないよ!」と呼び止められました。

高校を中退してるという彼女。娘と同い年で髪の色もミルクティー色。
カラコンをして、つけまつげをしていつも仕事をしています。
ヤンキー言葉が抜けなくて、言葉使いはアレだけど
認知症の方の対応は感覚的にずば抜けてる子です。

彼女をハグして「元気でね」と声をかけたら
その子は泣き出しました。
正直、彼女が泣くとは思ってなかったので驚いたけど
すごく嬉しくなりました。

「あなたは認知症の対応は素晴らしかったから
私はしょっちゅう真似させてもらってたよ。ありがとね。
あなたは認知症ケアのセンスが抜群なんだよ。
私が何年もかかって手にいれたものをあなたはもう持ってる。
羨ましいくらいなんだよ。
ここのフロアではあなたはもう中堅どころだから
新しいスタッフさんを引っ張って行ってね。
そのケアは感覚的にやっていってるだろうから、
それを今度は根拠を説明できるようにやれば
ケアできなくて困ってるスタッフさんに教えてあげられるよ。」

と伝えたかった事を話すと彼女は

「わかってる。
もう新人じゃないしそういう立場を
やらなきゃいけないこともわかってる。
ニコリ蔵さん、うち、絶対ニコリ蔵さんの病院に行く。一人前になる」

と泣けるほど嬉しい言葉をくれました。

「わかった!
じゃあ私は時間かかっても病院で『介護職の存在意義』を必ず見つけるから!
あなたが来たときにやりがいをもって働ける環境に整えておくから!
待ってる!待ってるからね!」

と伝えました。

二人で泣きながら抱き合いながら。


今日は、介護歴15年超えの女性スタッフ、Oさんのことでまた涙。
朝から不機嫌そうにしてました。
仕事を真剣にやればやるほどスタッフに対して愛想がなくなる真面目さん。
でも今日は一段と不機嫌で私も話しかけるのを躊躇うほど。

采配はスマートで漏れがないけれど
指示される方は『何上から物を言ってるの?』と
裏で言われていることは知っていました。
でも私は彼女の介護人のプロ意識が好きでした。

彼女の方があがる時間が早かったので私は声をかけました。

「Oさん、今日で終わりだねー。お世話になりました」

すると彼女は鼻を真っ赤にして目をそらしました。
私に向かって顔も体も正面を向いてくれません。
照れ笑いと涙をこらえてる姿とわかりました。

そこで私はまさかと思いながら
「今日1日不機嫌さがひどかったのはあれかい?私とお別れだからかい?」
と聞きました。

彼女から笑顔が消えてぼろぼろ泣き出しました。

「なんだー。そうだったのかい。素直じゃないねぇ(笑)
でも嬉しいわ。ありがとね。
そんなに思ってくれてるとは思わなかったわ。
嬉しいわ。ほんと。」
と笑いながら彼女をハグしました。
ただただ泣くOさん。

「ねぇOさん。
お年寄りにあれだけ気を使うことができて優しく接することが出来るんだから
スタッフさんたちにももっと笑顔見せてよ。
出し惜しみしないでよ。
誤解されてることが多いみたいだけど
わかってる人はちゃんとわかってるから。」

と伝えました。

頷くOさん。

他のスタッフさんたちとも全員とハグしてお別れしました。


すごくすごく、すごく!
いい研修先に行けたと思いました。

さ、私は私で。彼らに恥ずかしくないようにやらなくちゃ。