私たちにとっては当たり前ですが、

お客様にとっては表面上理解できないらしい

バスツアーの規定について最近の実例と乗務員の対応の問題

について今日は書いてみます。



『人をなめやがって!このクOガキ!、目O玉抉り出してやろうか?』



『人を馬鹿にしやがって、このまま首絞めてやろうか?

(運転中に後席から運転中の私に向かって発言)


絶対に明日旅行会社に怒鳴りつけに行ってやる!


お前名前なんて言うんだ?覚悟しろよ!・・


俺は足が悪いのに・・』



つい先日、とある旅行会社様の羽田空港から地元茨城までの送迎時に

私が60歳代の男性2人から言われた言葉です。(先週と先々週に当然別のお客様から)


やOざの方かと勘違いしてしまいそうですが、


前者は6人組の全員男性で地元グループの方のリーダーの男性が、羽田空港の到着ロビーで

他のお客様を待つ最中にいわれまして、


後者は、ご夫婦でご参加の旦那さんが、乗車場所に到着する5分ほど前に

私が運転中に後席から運転中の私に対して発せられた言葉です。


乗務員にとってはどちらの場合も乗車拒否したいですし、

その場で降りたいただいて警察を呼んでもおかしくないような状況ですが、

この二人のお客様に悪気はなく自分は正論を言っていると思いこんでいます。


ちなみにこの話が展開されているときに当然ですが他のお客様の一緒におりまして

一部始終を聞いている状況にあり、

皆、その場では『そうだそうだ』と相槌を打っているような状況です。


ではどういう状況でこのよう言われたのかというと、

それは帰り道に俺の家の前を通るように走ったりできないか?そして俺を家の前で下してくれないか?とか

または事前に決められたルート次第では家の前を通過するんだろうから、そのルートを教えろ!

俺は途中で降ろしてもらうんだ。

というお客様からの希望というかご意見に対し、



バスツアーの目的地までの集客や送客の場合は、

参加されて添乗員からご案内されたことのある方はご存知かと思いますが、

『事前に決められた場所以外での乗降や、個別にご自宅までのご送迎などは承れません』

と明確にご案内が事前にしらされており


最初からご自宅送迎などをうたっているようなツアーでない限りは、

希望の場所に送り届けることもバス会社は出来ませんし、

することもないようにと厳重に旅行会社からいわれております。


と私はご説明したさいに発せられた言葉なんです。


そのお客様の話では、

『駄目なのは知っているが・・昔は降ろしてくれたんだ・・

(恐らく違う旅行会社と勘違いだったり、

自宅前配車を最初からうたっているツアーに参加されたかのどちらか)


なんでお前は出来ないんだ?』


という言葉から始まって

あのとんでもない表現に繋がるわけです。


後者のお客間に関しては、途中のサービスエリアの休憩中に

奥様を使って私に寸志(賄賂)を無理やり握らせてその旨の了解を取り付けるように

図ってきたりと初めから禁止されていてできない事をそのご夫婦もわかった上での行為です。



ここまでの説明ではバスツアーなどに参加したことのない人は

一体何が悪いのか???と

これがどういった弊害を生むのか想定もできないかもしれませんが、



最終的には、

『正直者が馬鹿を見る』

感じになり、

旅行会社様にとっても私たちバス会社にとっても一番良いお客様を怒らせ、

正直いらないお客様を集める結果につながっていくんです。



発言の前者のお客様の時がいい例なのですが、


その時は、空港でおバカな添O員が

お客様からのその駄目であるはずの要望を了解してしまい、

巡り巡って全員のお客様のご自宅前まで送り届けるという話になりました。


(この時に良くルート的に最も自宅に近いところで止めればよいのでは?

とのご指摘も受けますが、当然すべての道は一本しかない訳ではなく、

ルート選択は無数に可能なのと、全員様同じツアー代金で参加されているなかで

公平を期す場合には全員様を送り届けるしかなくなる。)



6名グループの方々は水戸近郊の方でしたが、

それ以外の方は常陸大宮と高萩と大津港という茨城でも

北端の方々6名(ご夫婦×3組)でした。


空港出発前までは恐らく皆様もしてやったりと満足げではあったのですが、

途中の休憩時に高萩駅に車をとめたご夫婦が、一番先に私にこう言いました。


『私たちはよく考えたのですが、駅に車を停めてしまっているので

駐車料金も余計にかかるし、どの道後日取りに行かなくてはならないので

当初と同じ予定通りが一番いいんですが・・

こうなるなら初めから送ってきてもらえばよかった・・』


(まだこの段階はみんなうっすらとしか最終的な問題に気付いてません)



次に口を開いたのが、

水戸の尾6名グループ様を自宅前まで送り始めてグループの最後に下りるリーダーを

送り終えた時で、

大津港からご乗車されたご夫婦が車内で真剣なお顔で私にこういいました。

(最初のほうに下りられたグループの方々は皆、

口々に遠くの方々お先にすいませんねと超笑顔で降車していきましたが・・)


『運転手さん、もうここまでで1時間半かかってますよね・・

(本来ならば千波湖駐車場で1か所で下して6名様一度に終了なので

実際には+1時間15分以上追加でかかってます)


一組の方は常陸大宮の方(乗車場所は日立・空港出発は22時)だそうですし

私たちってもしかして早くても翌日の4時ぐらいに到着になってしまうのでは?』


その問いに対して、私は笑顔で


『そうですよ。大体朝の5時ぐらいですかね・・このままいったらね。』


と答えると残りの6名様がやっと事の間違いの重要さに気づきました。



ここまで説明すれば後は説明不要だと思いますが、


結局他の6名様は、水戸の方が水戸の外れだったこともあり2時間ほど到着が遅くなり、

自宅までみんな希望したらとんでもないのでやっぱりやめて

皆、最初のお規定通りの場所で降りればそれでよいという話になったんです。


そして、高萩の方は降りる際には


『あの添乗員なんてこと了解したんだ・

あしたOO旅行の本社に電話で抗議してやる!

規定でできないと決まってるのに勝手に変えやがって!

同じ旅行代金払って、こんなに不公平で

しかも乗車場所まで遠いからわざわざ車で来て駐車料金払ってとめてるし・・

こんなばからしい旅行もう絶対参加しない!』


となったわけです。


実際に仲の良いお客様に聞くと、

このことを全く考えられないのかわからないのか?

他の会社の乗務員では一部のお客様からの脅し?に屈して

途中下車させている乗務員が本当に多いみたいです。



上記は極端な例ではありましたが、



一部を認めるとすべてを認めなくては不公平となったり


お客様側からでは表面上はよくわからない場合も多いかもしれませんが、


色んな所に行程のひずみが生じてしまい


結果として、正直者が一番馬鹿を見ていることになってしまうんです。



決まりごとはきまりごとですよね。やっぱりね。