急に寒くなりましたね。

皆様どうかご自愛くださいませ。

それでは旅行記をお楽しみ下さいませ。


スペインの首都、マドリー英語ではマドリッド

人口約541万人欧州第5位の都市、通貨ペソ(1999年当時)である。

しかし、そんな情報は疲れた身体にはまったくどうでもいいことだった。


日本を午前中に出発し日付変更線を越え、

18時間かけて21:00にマドリーに到着。

到着ロビーでお世話になるペンションのオーナー、Tさんと無事合流できた。


Tさんは私より10歳ほど年上だった。

大阪出身の彼女はやわらかい関西弁で

「Aちゃん久しぶり、げんきやった?遠いとこよぉ来たなぁ。」

Aちゃんは前回のスペイン旅行でTさんのお世話になっているので、

すでに顔見知りだった。

「Rちゃんから、あんたらのこともよぉ聞いてんで。

とりあえずお茶でもしよう。荷物気ぃつけてや。」

Rちゃんとは二日遅れてマドリーで合流する予定の友達だ。

TさんとRちゃんは友達でRちゃんに紹介してもらったのだ。

カフェでTさんはハーブティを勧めてくれた。

リンゴっぽい香りのするマンサニージャという名前のハーブティーは、

日本ではカモミールティと呼ばれるものだった。

リラックス効果のあるお茶は、疲れた体に染みわたった。


お茶を飲みながら、現在のマドリーの状況を聞きいた。

Tさんの話では、

・今のマドリーは世界一危ないと言っても過言ではないくらい治安が悪い

・街中で日本人とわかるかっこうは絶対するな。ブランド物のバッグなんかとんでもない

・未だシエスタ(お昼寝)の習慣がのこるマドリーは14:00~16:00の間は、

観光客くらいしか人が動かないので狙われやすい。この時間帯はできるだけ街を歩かない

・女の子は絶対一人で出歩かない


予想以上に治安は悪い。

えらいとこに来てしもたなぁという感は否めなかった。

しかし来てしまったもんは仕方がない。

楽しい旅になるか、悲惨な旅になるかは自分の注意力ひとつできまるようだった。


さて空港からタクシーでクリスマスイルミネーションの街をペンションまで移動。

日本では12月25日が過ぎると正月ムード一色になるが、

スペインは国民のほとんどがカトリック教徒なので、

キリストが誕生して東方の三賢人から贈り物をもらう、

1月6日のレジェスと言われる日までがクリスマスなのだそうだ。


タクシーの窓から見る景色はさすがヨーロッパ!

石造りの建物が綺麗にライトアップされている。

まさに童話に出てきそうな街並みだ。


そしてひときわ目を引く美しく大きな建物が現れた。

私はTさんに

「Tさん、あれ王宮?」とたずねた。

するとTさんは笑いながら

「違う違う、あれはマドリー中央郵便局や。

あの建物では道路からすぐ入り口やから危なくて王様いてられへんで。」



あんだもん!-郵便局

           マドリー中央郵便 どう見てもお城やろ?

                              写真by Bundestor


それもそうだ。

これではセキュリィー面で難ありだ。

しかしさすがはスペイン!

『太陽の没することなき帝国』と過去に言われたことのある国だ。

中央郵便局ですら私から見れば世界遺産クラスの建物だった。


30分ほどのタクシーで移動で、

お世話になるペンションに着いた。

ものすごく背の高い扉がついた門をくぐり、

パティオと呼ばれる中庭をぬけて階段を登る。

2階のフロアの一部がTさんのペンションだ。

2階の一部といっても客室は10部屋ほどあった。

トイレ、シャワーは共同だった。


到着するとTさんのご主人Yさんが、

「いらっしゃい。よぉ来てくれたね~。」

と暖かく迎えてくださった。

彼もまた大阪出身のやわらかい関西弁だった。


「僕のことはYちゃんでええからな。

TさんもTちゃんでええから。

困ったことがあったらいつでも言うてなぁ。

あんたらのほかに、男の子でSくん・Oくん、

女の子で留学生のMちゃん・Dちゃんがいてるから

仲良くしてな。」

みんな私と同じ年頃か少し年下くらいだった。


私とAちゃんが同じ部屋で、

Cちゃんが二日後に到着するRちゃんと同じ部屋だった。

寝る前にサロン近くの壁に貼ってあったマドリー市街地の地図を確認する。

危険な通りは赤ペンで記してあるので、よく見ておくようにといわれていたのだ。

地図を見た瞬間思った。

『ほとんど赤いやん・・・』

普通に歩ける道は、ほんの一部だった。


本当に危ない街なのだった。

留学生の女の子Mちゃんは、3日ほど前に暴漢に襲われ、

首を絞められて財布を盗まれたと話してくれた。

私より8つ年下の彼女はその時、

気を失う振りをして倒れたので、暴漢も財布だけを盗んで去って行ったそうだ。


「もう大丈夫やろ思ってたちあがったら、暴漢と目があってん。

めっちゃこわかったわ。

私もどんだけ危ないんやろう思って赤いラインの引いてある道にいってんけど、

ほんま危なかったで。」


おいおい自分から行ったんかいな・・・

命あってよかったなぁ。

でもほんまに危険だということを実感した。


シャワーを浴びて、

明日からの生活に備えてベッドに入った。

飛行機の中でほとんど寝ていたが、さすがに疲れていたようだ。

石造建築のため響くのか、建物の下から聞こえる地下鉄の音を聞きながら、

眠りについた。


次回へつづく・・・



やっと写真が1枚出てきましたね。

カメラをもっていかなかったので、ほとんど写真がありません。

ペンションは、『のだめカンタービレ』というまんがをご存知の方、

のだめちゃんがパリで住んでいたアパルトマンを思い浮かべていただければ、

だいたい似たような雰囲気の建物です。


今回も長々と文章ばっかりのブログを読んでいただき、

ありがとうございます。

さてこのあと何がまっているのか・・・

ぜひ続きも読んで下さいね。