BLCD 『インテリ君の恋病』感想 | 半腐女ry生活?

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(と言いつつ、中身はドラマCDの感想ばかり・・・w)

インテリ君の恋病/インディーズレーベル
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BLCD「インテリ君の恋病」を聴きました。
2015年2月27日発売 原作:ヤマヲミ
出演 野島裕史 小野友樹 興津和幸 他


激務で会社を辞めて以来、目標を見失っていた冴木は、大学時代の友人・松永と偶然再会を果たす。松永は一流企業で働いており、そんな彼を眩しく思いながらも、冴木は再会を心から喜んでいた。翌日、松永に誘われて行った飲み屋で冴木は泥酔してしまう。意識が朦朧とするまま松永に身体を触られ、その後監 きんまでされてしまい……!?


冴木静(CV.野島裕史)
IT関係に就職したが激務で転職を2回し、清掃業者として働く。とても内気な性格で友達もいない。
松永伸太郎(CV.小野友樹)
有名企業で営業のエースとして働く。コミュニケーション能力がとても高く、同僚からの信頼も厚い。


小野友樹(松永伸太郎)×野島裕史(冴木静)



※ネタバレにご注意ください。
一部厳しめの感想なので苦手な方は回れ右してください。



本作は先月発売されました「オタクくんの憂鬱」のスピンオフ作品です。



あらすじから思っていたよりは監 きんという行為が前向きに描かれていましたが、それとは別の個所で松永が相当病んでいることを思い知らされて、比較的ヤンデレ色の強い作品だったという感想を持ちました。



この作品の聴きどころとしましては、冴木視点に重きを置いて聴き進めることができれば一旦はどん底まで落ちた自分の人生に再び希望を見出し前を向いて歩いていく姿が心情を丁寧に追って描かれているので清々しいです霧
冴木は大学時代インテリ的な存在で、大手のIT企業にSEとして就職しましたが多忙を極めたため別の会社へ転職。次の会社では人間関係が上手くいかず辞めることになり、心のバランスを少々崩しています。投げやり気味に清掃会社という全くそれまでと関係の無い仕事に就いたわけですが、変遷を見ているとやる気も希望も失っている状態ですよねしょぼん
そこから松永と再会し(冴木の勤める清掃会社の担当が松永の会社だったのです)、悪い飲み方をして酔っぱらった冴木は松永宅に運ばれ介抱され色々あって(後で説明します)体を触られてしまい、その後も色々あって監 きんされ、その中で松永をどう思っているのかを考えて答えを出します。
基本的に冴木はうじうじ暗い気分で物事を考えていてモノローグはずっと彼にあるので聞き続けなければなりませんが、光明が差した時にどんどん気持ちが明るくなっていくのも同じように長めに聴けたので良かったです星
なぜ人間は働くのか。人によって動機づけは様々でしょうけれど、冴木は冴木の理由を見つけます。―働こう。働こう―に込められた力強さにとても元気をいただきました!
そんなわけで、個人的には冴木の成長物語として聴くと面白かったです。
ただし、本作は珍しく巻末フリトが収録されておらず79分23秒みっちりドラマが入っていますが、ほぼ冴木と松永の会話しかなく、もっと言えば冴木のモノローグが長く、場面もあまり移らず大きな事件も起きない為、眠くはなりませんでしたが少々長く感じました。
その分先ほども書きましたが冴木の心情が丁寧に伝わってくるので無理なくお聴きいただけるのではないでしょうか。人によって感じ方は変わってくると思いますビックリマーク



で、やけに“冴木”を強調しているような・・・と思われている方はいらっしゃいますでしょうか。
そうなんですよsippai;*
個人的には松永のことはよくわかりませんでした(;´Д`A ```。
最初の方は普段笑顔の輝いていそうな要領の良い営業マンが長年想い続けていた人に再会できて、運良く家に連れ帰れてしまい、ついキスしてみたら
―柔らかい。きもちいい―
「っ……もっと……っ」
「っ!……お前が悪いんだからな。せっかく忘れられたのに、のこのこ出てきやがって」
と、理性のプッツンしちゃう様子を見られてニヤニヤしちゃいましたにひひ。モテるでしょうに好きな人に一途というのがいいな、と。
それまでは健全そのものだったのでちょっと急展開な気もしましたけれど、許容範囲内ということで。
翌日酔いが醒め慌てふためいて帰った冴木が会社で松永を見つけてしまい知らないふりをしようとするところでは
「ふぅ。よーぉ冴木。何シカトこいてんの?俺のパンツ返せよな~」
「っ!ちゃんと返すよ!わざとじゃないんだから!」
パンツを穿き間違えて帰ってしまっていたわけですが、このシーンより前に社内でその話を持ち出して冴木がつい松永に蹴りを食らわせてしまったということもあり、かなりアクマ(▼∀▼)的な雰囲気で接しているなという感じがします。
好きな人を前にちょっとイジメっ子気質を覗かせるというのもあるよねと思いつつ聞いているとこの後とんでもないことが!


再び松永は冴木をからかって、冴木はついビンタを張ってしまいます。
そこを運悪く上司に目撃され、前に蹴っていたことも重なりクビになってしまうのです。
そして行き場がなくなり監 きんへと至るわけですが・・・
やはり監 きんという行為を描く以上仕事はどうするの!?無断欠勤?という謎を作らないためにも辞めさせたのは仕方ないのでしょう。後に前向きさを取り戻して新たな一歩を踏み出すためにもいつまでも清掃業者で働かせているわけにもいかなかったのでしょう。
が・・・松永が冴木の上司に何一つ意見してくれなかったのが個人的には引っかかりました。ビンタを張らざるを得なくなったのは松永に原因があるのに・・・好きな人が目の前でクビを宣告されている姿を見ても何も言ってくれないんだーと。何か言ってくれてもクビになったかもしれませんが、言うのと言わないのとでは違うな、と。(原作を読んでいないのでどこか抜けていたのだとしたらすみません。)

なぜ言わなかったのか理由づけは良いものも悪いものもいくつか考えられますが、自分が養うとまで言っていますし、私には自分だけのものにしたいという気持ちが強くこのようなことになったように聞こえました。
そんなわけで、捉え方によってはこれは強烈なヤンデレだとも思います。
どうしてそこまで好きなのか?については後々語られますが、普通に人を好きになる感じと変わらないだけに、ちょっと松永に愛されるのは怖い気がするとも思ってしまいました。冴木が松永に連絡しなかったのも理由を知ると私は共感できますし。
松永を下げていると思われるのも違うのでもう少し書きます。
「俺、あの頃お前のこと、すげぇ好きだった。あん時、コクっときゃ良かった」
「まさか連絡つかなくなるとは思ってなかったからさ、俺の気持ちは、あの時のまんま残ってんだよ。忘れられたと思ってたのに」
「……」
「でも、もう…自分でも好きなんだか憎いんだかわかんねぇ」
行き場のない純粋な気持ちを持ち続けた結果が繋がっていったのでしょう。
それと、監 きんとは言っても、暴力をふるったり無理矢理何かをするわけではありません。松永は普通に会社へ行き仕事が終われば同僚の誘いを断って大好きな冴木の元へ一目散へ帰ってきて、すごく嬉しそう晴れな表情を見せます。冴木も冴木で紐で繋がれてはいますが本を読んだりご飯を作ったりして過ごしているので恐怖して逃げ出そうとするような警察沙汰になりそうな要素はほぼありません。


監 きんまでされているのになぜ冴木は松永を選べるのか!?ということについてもお話しておきましょう。
松永は基本的に最初から最後まで病んでいます(^^;。
しかし、冴木は変わっていきます。向けられる重いけれど純粋で一途な愛情をどう受け止めたのかということがポイントになっていきます。
冴木の心情をつぶさに見ていくことによって受け身になり続けるのではなく自分から選ぶということ、今の時代には特に大切な一人で抱え込まないということを学んでいっていることがわかりますクローバー
松永個人を見ていると納得いかない部分もありますが、冴木と松永のカップルで見れば面白く聴くことができるのではないでしょうか。



お芝居に関しましては、裕史さんは輪郭がぼんやりとした感じに聞こえました。声は普通~少し高めくらいで、この手のタイプのキャラを演じる時はよくキャラのテンションの低さに比例して声も低めで演じていらっしゃることがありますが、あまりそういう風には思いませんでした。
後ろ向きなモノローグが特に序盤は多いですが、不思議とこちらまでどんよりした気分にはならないのですよね。意外と冷静に物事を見ていますし、置かれた状況をいつまでも引きずらないところが良いのかもしれません。
小野さんは元気で人好きのしそうな面と好きな人を独占したくて仕方なくその為には少々イジワルになってしまうような面を併せ持ったお芝居を見せてくださっています。

背が高くて運動神経良さそうでスキッとした男の人という感じがします。でもあまり周りを見られないタイプにも思いました。冴木と再会したら冴木冴木冴木・・・というくらい冴木しか見ていなかったような・・・。それがちゃんとお芝居に反映されていたように思います!松永のキャラとしては仕事に集中できているのか少々不安になりますが(^^;。
高垣@興津さんは、本作では松永の高校時代の友人兼同僚として登場します。ほとんど冴木と松永しか登場しないお話なので高垣の出番もほとんどありません。が、少し様子を見ていただけで松永の気持ちを当ててしまうくらいなのでなかなか目ざといです。明るくチャラい雰囲気もありつつ、それだけではない!という部分を見せつけられちゃいましたね!ひらめき電球



Hは4回。しかもかなりガッツリ長くしています。
最初は約2分。酔いつぶれている冴木を触って ぬ くだけで挿入はありません。
次はトラック跨いで約5分。結構無理矢理感があります(;´Д`A ```
後の2回は気持ちが通じ合っているので安心してお聴きいただけることでしょう。
3回目は想いが通じ合ってから約6分かなりガッツリ!4回目はラブラブになってからの甘いもので約3分半。
何度か聴き直して数えたのですがもし間違っていたらごめんなさい!

とりあえず、Hたっぷり!関係性の節目節目にHがある!というのだけはなんとなくお伝えできたらと思い書いてみました。
裕史さんあ え ぎまくりお疲れ様です!小野さん息入れまくりお疲れ様です!
Hの感じとしては、結構松永がガンガン言葉責めをしている印象でした。
「ドロドロ」とか「ギッチギチ」とか「体はそうでもなさそうだな」とか・・・テンプレ台詞もいっぱいありました(^^;。



特典CDは約22分16秒。巻末フリトが無い分?特典CDは収録時間が長いですね~!
静かな役を演じて欲求不満な裕史さんはテンションが高いっ!wいやでも、小野さんの方が先にテンション高くなかったですか?(笑)
今年一発目のBLCDの収録だったそうです!鏡開きもしていないくらいの時期だそうです。
トークテーマは「収録の感想」「清掃員と一流企業の営業マン、どちらの職種が自分に合っていると思う?」「自分で料理する?こんな料理を作ってみたいというのはある?」「周りが見えなくなる瞬間ある?」「メッセージ」
小野さんは裕史さんの繊細な演技にとても引っ張られ自然に感情を出していけたそうです。素敵(*´∇`*)
裕史さんは自分は受け身の演技をするタイプなので(繊細な役の際はというニュアンスに聞こえました)、リアクションを小野さんに引き出してもらったとのこと。
お互いに褒め合っていていい雰囲気ですね~!
そうかな~やらかすとは限らないのでは?小野さんは交友関係広そうですし営業マンも合っていそう。でも一つ決めたらとことんやるとおっしゃっているのもわかる気がするので清掃員で働いていらっしゃるのも見てみたいかも。
本編を聴いていて冴木は料理が下手でしたが裕史さんはお上手だよね~と思っていたらやはり料理話が!アレンジとかすごいなー!漁や狩りに出て命をいただくということを学びながら料理をしたいともおっしゃっていました。
裕史さんのスズメバチの話は初めて聴きました。私も昔家に2回巣を作られたことがありましたが、怖くて取るなんて全く考えませんでしたよ!幼虫食べるなんて論外!ワイルド過ぎる!
小野さんは白玉とお好み焼きを作るのが得意だそう。白玉には砂糖とこしあん!どちらも甘い付け合わせですね~^w^



フィフスアベニューの公式ブログで見られる収録レポで興津さんが冴木の「監 きんされてる場合じゃない!!」という台詞を取り上げていらしたのですが、私はもっと監 きんへの焦りを表したものだと思っていました。ところが実際に聴いてみたら
―好かれるって、気持ちがいいこと。それから、人の肌は思ってたより熱いこと。そういうの、初めて知った。だから、いつまでも監 きんされてちゃだめだ―
という風にとても前向きに使われていて、病み表現の一種として用いられている行為をこのように扱ったのはいいなと思えました。
好き嫌いは分かれると思いますが、ご興味わきましたらお聴きになってみてください音譜