BLCD 『罪の褥も濡れる夜 2』感想 | 半腐女ry生活?

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(と言いつつ、中身はドラマCDの感想ばかり・・・w)

BLCDコレクション 罪の褥も濡れる夜2/ムービック
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BLCD「罪の褥も濡れる夜 2」を聴きました!
2015年2月27日発売 原作:和泉桂 イラスト:円陣闇丸
出演 神谷浩史 遊佐浩二 三木眞一郎 秋元羊介 野島健児 楠大典 川田紳司 花輪英司 井上剛 中澤まさとも 他


清澗寺家当主・冬貴と共にあると決め、これまでよりも冬貴を愛おしく思う伏見義康。冬貴の秘書となり、公私共に関係はすっかり落ち着いていた。だが、世の中は目まぐるしく動き、貴族や権力者に対する民衆の視線が厳しいものへと変わりはじめる。二人に重くのしかかる時代の流れと、嵯峨野による縁談の話。愛を知らない男と、愛に臆病な男が紡ぐ、激しくも切ない愛の行方は――― !?
伯爵の有能な秘書・伏見×美貌の伯爵・冬貴……互いの深遠なる想いを描いた至高のラブロマンス


清澗寺冬貴(CV.神谷浩史)
清澗寺家の御曹司。艶やかな髪に琥珀色の双眸の、この世のものとは思えぬ美貌の持ち主。頭脳明晰だがあらゆることに無関心。
伏見義康(CV.遊佐浩二)
伏見男爵家の三男。美丈夫で人望は厚いが、策謀を好む野心家でもある。嵯峨野の後継者として見出された優秀な人物。
清澗寺貴久(CV.三木眞一郎)
伯爵の位を持つ冬貴の祖父。実年齢より若々しく艶やかな美貌の持ち主。嵯峨野とは古くからの知り合い。
嵯峨野経行(CV.秋元羊介)
(青年時代)(CV.楠大典)
公爵の位を持つ公家出身の政治家。政治に関しては非情で老獪な面もあるが、普段は酒客で遊び心がある人物。

清澗寺和貴(CV.野島健児)
冬貴の次男。兄弟の仲で容姿が一番冬貴に似ている。初めての手ほどきをしてくれた義康を慕っている。
戸塚(CV.川田紳司)
義康の学生時代からの友人で新聞記者。飄々としているが友人思いの人物。
柴崎敬眞(CV.花輪英司)
高名な小説家。冬貴のことは弟のように可愛がっている。
片岡宏武(CV.井上剛)
片岡子爵家の三男。帝大生。
三浦(CV.中澤まさとも)
片岡の幼馴染み。帝大生。


遊佐浩二(伏見義康)×神谷浩史(清澗寺冬貴)

楠大典(嵯峨野経行)+三木眞一郎(清澗寺貴久)

その他冬貴受けで複数人プレイ、伏見と和貴でキスあり

今作もとても良い出来で、制作してくださった感謝と次回作への期待を込めて初めて清澗寺家シリーズの感想を書かせていただいたのですが・・・難しいですね。
非常にデンパ+イタい感想ですみません(;´Д`A ```。
NGの方は回れ右してください!




大正時代前後がこの作品の舞台になっていたと思いますが、その場が存在するかのようでした。
私は初め久々の発売に心躍る中で、作品としてはもちろんですがキャスト陣の渾身のお芝居を聴けることも楽しみにしていました。
そこを少し分けて考えていたこともあり、聴き始めるとキャストがふたつの生を生きているような気がしてきました。明らかに独立してはいますが、同じ声を持った別人が今と過去を生きているかのような不思議な感覚を持ちました。
なぜそうなるのかを考えた時、先に述べた理由の他にキャラクターの描き方を今一度辿りました。この作品で言えば冬貴と義康が主人公でしょうが、一人一人どのキャラを思い浮かべても動きや心情や思考、生きてきた道が詳細に伝わってくるからもうひとつの世界を感じたのではないか、と。つまり、どのキャラクターも主人公を動かすためだけに登場させられた紙人形に陥っていないのです。
それによって作品は深みを増しますし、私は重厚さと面白さとして受け止めているのではないかと思うのです。


と、ここまで考えて私は突然発売日前(2月23日)に和泉先生がTwitterで呟いていらした言葉を思い出しました。
あるシーンに関して
『ホールで二人の情事を盗み聞きしてるような、半端ない臨場感が…!』
そして、
『常々、「BLCDのリスナーはベッド横にある照明とかサイドボードの一輪挿しとかそういうポジションにいてCPの営みを観察してたいのであって、受になりたいわけじゃない」と(個人的な考えですが)いうスタンスなので、このシチュエーションは聞いていて萌えましたw >盗み聞き』
と書いていらっしゃいます。
頭の中で繰り返せば繰り返すほど、確かに私はその思惑通り部屋の花瓶やらドアの取っ手やらになっていた気がしてきました。(思惑という言葉を使ったのは、先生も脚本を監修なさっていたという話を聞きましたので、どこかでは狙っていたのではないかと想像しました。)
それは、天上でも地下でもなく、最も遠くて最も近い位置です。そこで私は冬貴の放つ独特の霊気とも呼べそうな臭気(あるシーンでは“腐臭”となっていました)に絡みつかれていくようでした。蛇でもいばらでもなくもっと不思議で言葉にできない何かに、です。充満していくことにより、その空気にあっという間に飲み込まれている花瓶や取っ手もとい自分を後に思い返して、私がふたつの生を生きていたのだろうかと、何か長い旅でもしてきた気分になりました。無生物の固体は生を受けるなどとは言わないでしょうけれど、私は確かにその空気の立ち込める場で時に密やかに、時に堂々と括目して事の成り行きを知り続けました。


“腐臭”が音としてこちらに届いているということはもう皆様に伝わっていますでしょうか。



スパンを感じさせない神谷さんの演じる冬貴に誰しもが翻弄されっぱなしでした。
冬貴は口数が少ないですが、その分何かを発言する時は強いものを感じます。例えば「なぜ?」という一言。しんと澄んだ空気(それすらも冬貴が作ったものと言えるでしょう)の中に落とされる邪気や裏の無い言葉。それにより言葉が言葉の持つ本来の意味そのもので伝わってきます。
けれども、実際にはとても頭が良くてキレ者でただのスケベ父さんではないのですよね(笑)。
冬貴はある意味では誰よりも穢れているはずなのに、まるで子供の用に純粋に紡ぐ姿を目の当たりにして誰よりも綺麗であると上書きされるのです。
絡みのシーンも数多く存在しますが、例えば「おっきくして」なんて凄いとしか言いようがありません。魔力でも宿っているかのようで、操作されてしまうのです。


なぜ男に興味のない男たちが男に魅了されてしまったのか。
他に何も語らずとも説得力のある運びになっています。



ちなみに、私は、(愛はわからないから心をあげる)というような・・・そこがすごく好きです。言葉の意味を考えて、冬貴という人物を考えて・・・これは究極の告白ではないでしょうか。
ぼかしたのは、ただ単に書いてしまうのは楽しみを奪ってしまうと思ったからです。じっくりお聴きになってみてください。



本作で子供たちが主役のシリーズではほぼ掴めない冬貴の気持ちをよく知ることができましたが、同じように義康についても「罪の褥も濡れる夜1」を聴き終わった時よりも知ることができたような気がしました。
彼の中には確かに愛がありますが、それでもどこか今でも逃げ道が残されているような気がしていました。今回で言えば勝手にセッティングされたお見合いに曖昧な返事をしてしまっていればそれだけで心は冬貴に向いていてもなんだか・・・と。が、寧ろ以前よりも冬貴に対する独占欲も覚悟も強くなっていて、一見2人の関係が不安定そうでも誰にも関係を断ち切らせることはできないことを思い知らされました。安心しました。



もっと色々書くべきこと、書かなければならないことがありますが、私には難しいのでもうやめておきます。不親切ですみません。
あ、また嵯峨野@秋元さんを聴けたことも嬉しかったです(*´∇`*)。素晴らしい貫禄でした!こう書いてしまうと、貴久@三木さんも冬貴の父である(けれども別の人間である)ということに非常に納得のいく清澗寺家の魂が宿ったお芝居で素晴らしかったです!し、もうこの辺で終わりにしましょう。



特典CDは神谷さんと遊佐さんで約14分56秒。
トークテーマは「収録の感想、裏話」「メッセージ」
「トークCDから聴くんじゃねぇ!」「トークCDから聴いてる人やめてください!」「割ってください!」とか懐かしい^w^
ではご意向に沿って、今回はフリトの内容を書かずに終えようと思います。
ずっと作品のお話をなさっていて、大切にしてくださっているのが伝わって来て嬉しいです♪
神谷さんには申し訳ないですけれど、割りません!!!w
それにしても、10年!長いシリーズになりましたね。