アメリカと日本に暮らしてみてわかること | 裸のニューヨーク

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ユー・ドント・ノウ・ニューヨーク・ザ・ウェイ・アイ・ドゥ...これは私のアンビバレントでパーソナルなニューヨーク・ストーリー。

アメリカという国、日本という国、二つの国に住んでみると故国に対する考えも変わってくる。どう変わってくるか、アメリカに10年以上日系企業の駐在員として暮らしているNさんからのメールを、許可を得ているので引用してみたい。

 「アメリカで仕事をして、アメリカ人とガチンコ相撲をとって、他の外地の国々とアメリカと、そして日本を同じ距離で見た場合、今の結論は日本の国際化が一番遅れている、です。」

 「いろいろな現象・事象があり、長くなるので止めますが本音でものを言わないというのも日本の特徴の一つで(他の国のやり方が全て本音で言っているかというとそうでもありませんが)、これが物事の決定のプロセスを明確にしないという致命的欠陥に繋がっている一つの理由だとも思っています。」

 「私はどんどん言いたいことを言うようになったし、イエス・ノーも日本人にしてははっきり言う方なのは間違いありません。ですから日本に帰ったら、多分私は浮いてしまうでしょうし、その他勢力との不毛の戦いに精力を使い果たす事になると思います。それよりもビジネスの規模だけはバカでかい北米に居座って、日本その他の国に向かって意見を吐いていた方が影響力を行使できると思っています。」

 「でも日本は私の祖国です。アメリカで時々感じる殺伐とした雰囲気は日本に行くとあまり感じられません。それに食べ物もやはりおいしいです。世界に誇る独自の文化もあります。」

 「私は明治以降、日本人は明らかに3種類の人種に別れていて、それぞれ殆ど違う人々であったと思っています。日露戦争までの時代をリードした、江戸時代の考え・教育を受けた人達。そして2つ目はその後太平洋戦争を敗北に導いた日本は世界の一流国だと信じて突っ走った人達、3つ目は去勢された戦後の人達。戦後の高度経済成長を牽引してきたのは第二世代の日本人で、アメリカと互角に戦うというかつてどこの国もやった事のない、そしてこれからもどこの国もできない事をやらかした人達で、第3世代の日本人ではありません。アメリカと互角に戦ったという言い方について、いろんな意見がありますが、昭和20年8月の
終戦時点で評価するのではなく、平成の初期の頃までの経済・産業面を総合的に見れば一目瞭然です。」

 「この第3世代の日本人はどういう精神構造になっているか、これらの人が何を起こしているのか、テレビのニュースを見続けていればわかります。」

 いかがですか?

私はこの頃、日本人をふたつのタイプに分けて考えるようになった。かつて日本人とは大人しくて礼儀正しい人々、と日本を訪れる外国人が口を揃えたものだが、今ではTVの告発番組などを見てもわかるように乱暴狼藉のし放題、自分さえ良ければいい、マナーなどクソ食らえという恐るべき日本人が多くなっている。私が、歩行喫煙禁止区域と書かれた道路上のサインのすぐそばで堂々とタバコを吸っている20代の男性に「禁煙区域と書かれていますよ」と穏やかな口調で注意してさえ、「ババア、死ね!」と口走る。決まって「ババア」「死ね」である。無灯火で反対方向を走っている自転車に「危ないですよ」と言っただけで「ババア」「死ね」と口汚く罵る女性もいた。注意などしない方がイヤな思いもしないで済むというものだが、それでは社会はどんどん悪くなって行
く一方である。が、どうも私の努力も無駄らしいし、悪くなるに任せるしかないのではないかとも思うこの頃である。