ブリュッセル大渋滞N04 | suzyのふしぎの国

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「あら?ジャポネ」の著者スージーが 短編小説を連載します。

ブリュッセル大渋滞



「なんだ あの騒ぎは!?」

外の騒がしさに 気づいたマサは 通りまで出てみた。

すると 信じられないような光景が。。。。


曲がり角では 大通りから こちらの通りに入ろうとしているトラックが曲がりきれずに立ち往生しているのだ。

ブリュッセルの石畳でできた路地は狭い。

そこには ハイエースが二重駐車して 荷を積んだ大型トラックの行くてを邪魔していた。


「た、大変だあ~   ヤバ。。。。」

マサに続いて出てきたコウスケが 悲壮な声を出した。

「どうするんんだ? モハメッド!」

マサは まだ、カウンター席でビールを飲んでいるモハメッドを睨み付けた。

「はあ?! なにかあったのか?」

モハメッドは ちょっとほろ酔い気分で トロ~ンとした目つきをした。

(あいかわらず のんびりしたヤツだ) マサはため息をついた。

「おい! 外を見ろよ! 大変な事になってるんだぞ!」

しぶしぶと ビールを飲み干して モハメッドも外に出た。!


「マァード! ケスクセ サー」(くそったれ! なんだ これは!)

モハメッドが毒づいた!。やっと 事の重大性に気づいたのだ。


3人は 急いで ハイエースに向かった。

ところが 車に近づくにつれ モハメッドの様子がおかしい。。

マサ達は 表通りの 大渋滞を見た。

トラックが 表通りの道をふさいで 後方には 恐ろしいぐらいの数の車とチンチン電車が 止まっていた。

「マサ コウスケ 逃げろ!」

モハメッドが 車のキーを持ったまま 車と逆の方に駈け出した。

「なにやってんだよ! モハメッド!」

マサの声に 振り向きながら モハメッドは 「早くこっちへ来い」 と手招きしている。

「どうしちゃったんだ! モハメッド。。。」

コウスケも 訳がわからん という顔をして しぶしぶモハメッドの後を追いかけた。

「おい! 車は どうするんだよ! 」

マサは叫びながら 途方にくれた。


つづく