「帰れない二人」はチッチとサリー
当社アーティストのブログは基本毎日チェックしている。
一昨夜、ふと思って、エンジニアの青野の「aochikiのブログ」を覗いてみた。
社員のブログは青野のものしか知らない。
ブログにYOU TUBEで陽水と清志郎の「帰れない二人」のライブ映像が上がっていた。
懐かしかった。いい曲だ。
「帰れない二人」は、井上陽水の大ヒットアルバム「氷の世界」に収録されている。
自分が小学校2年生頃の作品だ。
ちょうど、小学校2年の時、自分の家が引っ越して、ばあちゃん(父の母親)と叔母さん(父の妹)と同居することになった。
その時、叔母さんはまだ独身で、姉ちゃんのようにいろいろな処へ、僕ら兄弟を遊びに連れて行ってくれた。
僕らは「マリちゃん」と呼んでいた。
その時のマリちゃんの軽自動車のカーステレオには、いつも「氷の世界」の8トラカセットが差し込んであった。
それからずーっと何年も「氷の世界」だけだった。いつもいつも「氷の世界」だけが流れていた。
だから、全部覚えている。
なかでも「桜三月散歩道」が好きだった。
マリちゃんの本棚からは、「小さな恋のものがたり」を借りて全部読んでいた。チッチとサリーだ。
だから、自分の中では「帰れない二人」はチッチとサリーだった。
マリちゃんはそのうち、ようやく結婚して、その家を出て、2人の子供を産んだ。
そして自分も東京に上京した。
会社をはじめて(学校を卒業して)ほどなくして、実家に帰った時、マリちゃんが死んだことを知らされた。
「ちょっと前だったよと。忙しそうだったから連絡しなかったよ。」と。
うちの親はそういうところがある。
チッチとサリーは本棚のままだ。
癌だった。
まだ幼い、娘と息子を置いて逝ってしまった。
死の自覚があったであろう、母親の心境を察するに堪えがたい。
そろそろ当時の彼女の歳を超えてしまった。
YOU TUBEの画像をアップするのも悪くないものだな。