執着を離れようと、思った。
機嫌がよくなって、
ポッケに手を入れて、
駅で、気持ちよく、
人やビルを眺めながら。
あの人へも。
そうしたら、なにかが見えてくるし、
きょう、休憩のとき、
ごはん食べに行ったら、
壁に絵があった。
羽のはえた、男の子が
羽のはえた、女の子に、
抱擁していた。
女の子の羽は、
天使の羽じゃなくって、
蝶のようなものだった。
憂いのようなものをためたように、
目を瞑る女の子、
きょうの、懐かしい物語の男の人にも
大きな羽が生えていた。
おおらかさを、履き違えてた。
そのまま、おおらかさを、
なくしてしまいそうになってた。