広い部屋 独り静かに目を閉じる

昔は 耳に刺さるこの静けさが
無防備な一人という殻の薄さが
嫌いで嫌いで仕方なかったけれど

今まぶたの裏に浮かんでくるのは

前に 左に 後ろに 右に
風を翻し 軽やかに 動き回る音
弾みに満ちた 話し声に笑い声
温もりが 近付き 離れ また寄せる

赤や青や緑や橙
カラフルな影が 地面に踊る

重なり 混ざり 色を増し
よりきらびやかに あざやかに

皆 私を取り巻いていてくれる力
常に 私を守っていてくれる力
ありがとう 私 独りじゃない

広い部屋 一人静かに目を開ける