2歳を目前に思う | 徒然ぱんだ ~ダウン症★育児日記~

徒然ぱんだ ~ダウン症★育児日記~

  
2011年1月11日生まれの息子、ももたろはダウン症です。

先天性の心室中隔欠損+肥大型心筋症という合併症。そして喘息もち。

育児、ダウン症についてなど、思いつくまま書いてます。

少し前のことですが、朝日新聞にダウン症の記事が載っていました。


出生前診断でやり玉に挙げられるダウン症。それには、ダウン症児の育て方について情報が不足しているからだろう…


という感じで始まった内容は、ダウン子が普通の家庭で、普通に生活している様子を記事にしているのかと期待して読み進めましたが


合併症で難聴と診断された子の成長やその子の親の育て方を紹介して、親の会があるところでは参加するといい、といった内容だった。


その記事自体は良いとは思うのだけど、自分の産んだ子がダウン症だと知ったばかりの親が知りたい情報としては、結構難易度の高いような気がしました。


産んだばかりの親は、そういった客観的に情報を集められる状態にはないと思うから。



まして妊娠している人が読んだら、ダウン子はみんな合併症があって、育てるのが大変だという印象を与えてしまうのではないかとも思ってしまうのでは…。


私自身、知識を持たずに、合併症のあるダウン子を産んだ人間。


「親の会」とか「遺伝科」とかは、あまりに私の今までの人生からかけ離れた存在で、かえって怖い様な気がしたものです。


そういう情報は、ダウン子を産んで、その子を自分の子として受け入れられてからじゃないと、情報を素直に受け取れないと思うんですね。


私が当事者として、一番最初に知りたかったことや言ってほしかったことは何だろう。 



ももたろを受け入れるために、「ダウン子は、普通の子と、何にも違うことはない。不安を感じる必要はない。」ってことかな。


産んで数ヶ月、そんなことは信じることすらできないほど困惑していたけれど、何度でも何度でも言われたかった言葉かも。


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私もそれほど多くのダウン症の人を知っている訳ではないですが、合併症がある子もいればない子もいます。


それはダウン症じゃない人でも、生まれながらに病気を持っている子もいればいない子もいるのと同じです。


病気を治療できるか、良い医者を探せるか、そのことはダウン症でもダウン症でない人でも同じです。


体の構造は同じですから。


ただ、目には見えない一個一個の細胞の中の遺伝子が1本多いだけ。


そのことで特徴的な顔や体型にはなるけれど、それほど特殊ではないので、同じ人間として接すればいいだけです。


成長は遅いし、特別に天才で東大に入ったり官僚になったりとかはできないかもしれないけど、社会の一員としては生きていく能力を持っている人が多いのに。


健常の人でも東大に入れない人はいっぱいいるし、官僚になれない人もいっぱいいるのでは?


頭が良くて学歴があったら、人生の選択肢は多くなるかもしれないけどね。でも、たいして学力や学歴はなくても、社会で活躍している人だって多いはず。


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ま、たしかに成長が早いのを自慢に思う人には我慢がならない遅さでしょうなぁ…これは。


健常児の「うちの子は○ヶ月で歩いたの~」「うちは○ヶ月で話始めたわ~」という話題には、ついてはいけません。


成長はそれぞれ違うって割り切ってしまえば、何とも思わなくなります。


障がい児、ダウン子を育てるのは大変だと言われますが、障がいだと思わないし、大変でもありません。


体が弱いみたいだけど、一般的に男の子は病気に弱いらしいし、自分で不調を感じたら自分で医者に行けるわけじゃないんだから、連れて行ってあげるのは親ならば当たり前のこと。


正直なところ…療育だって、別にやらなくたって育つと思う。


普通の子と同じように、一緒に出かけたり、抱っこしたり、話しかけたり、笑ったり、手遊びしたり、時期が来ればご飯を食べさせたり、食べ方を教えたりすればいいだけのこと。


普通と何が違うんでしょうね?ダウン子の特別に何が大変なんだろう?


育児は大変だよね。それって健常も同じだと思うけど?


発達が遅い分、教える期間が長くなることが大変なのかな?


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保育所の廊下には、4月の頃のクラスの写真が貼られているのですが、その写真ではももたろは一人ではちゃんと座れず、後ろから先生が支えている手が見えています。


1年近く経って、ももたろは一人で座れるようになりました。這う姿勢から自分で体を起して座り、テーブルを手掛かりにして立とうという意欲もあります。


そしてうまく立てないと癇癪を起こしたり、しれっと別の遊びに逃げたり。


嬉しかったり楽しかったりすれば笑うし、自分の思い通りにならなければ怒るし泣く。叱られたと思うと怖くて悲しくなるようで泣く。


それはたぶん健常の1歳くらいだとは思うけど、彼なりに心も体も成長したことを感じるし、それでいいやって思うだけです。


ももたろが他の健常の子と違うところを探すと…


成長が遅い、歯が2本足りない、鼻が低い、おなかぽっこり体型、心臓病。


保育所の同じクラスの子はみんな歩いてお散歩に行くし、2語文くらいはお話する子もいます。

歯もきれいに並んでる子ばかり。


そういう特徴をそれぞれ持ってるんだくらいに思ってます。


これから先、学齢期や大人になってから、どんどん差が開いていくのかもしれない。それに気がついた時、私は凹んだり焦ったりするかもしれない。

けど、少なくとも今までの生活の中では、ものすごく健常の子と違うから困ったということはありません。

それはその時考えていくしかないのも、健常でも同じことでしょうし。


今になってみると、育てられないとか一緒には暮らせないだとか、さんざん泣いて落ち込んで暗く過ごしていた期間がもったいなかった。


その時期に、普通に抱っこしたり笑いかけたりしていたら、もっと早くももたろも情緒が育っていたかもしれない。


ももたろはかわいいとは思うし、家族の一員であることを良かったと、2歳を目前にした今、思っています。


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出生前診断についての賛否はさておき、この話題では必ずダウン症が挙げられ、まるでダウン症が障がい者の代名詞かのように言われるのは心外ですな。


ダウン子について何も知らないまま、出生前診断が簡単・軽費で受けられるようになったら、ホントにダウン症は絶滅種。


絶滅させる前に、絶滅させなければならないほどヒドイ障がいなのかどうか、よく知られてないことが問題ではないのかな、と今は思っています。