「先にうまれただけの僕」第5話のペップトーク解説 | 映画でペップトークとアファメーション(Pep Talk & Affirmation)

映画でペップトークとアファメーション(Pep Talk & Affirmation)

ペップトーク(Pep Talk)とは人を元気にする短いスピーチで、コーチングの最後のスキルとも言われているそうです。映画に出てくるペップトークを通して、みなさんにもペップトークを知っていただければ幸いです。

前回は、岩﨑由純先生の著書「心に響くコミュニケーション ペップトーク」の誕生秘話について書きましたが・・・

 

今日は、このドラマに使われている書籍の内容に関して、順を追って解説してみたいと思います。

 

【1】イメージのパラダイムシフト

(9’01”~)

 

 

同僚二人でこの本とペップトークについて語るシーンです。

 

 

ここで出てくるセリフは、この本ではなく岩﨑先生の別の著書「やる気をなくす悪魔の言葉VSやる気を起こす魔法の言葉」からの引用のようです。
この本の付録に「魔法の言葉逆引き辞書」があり、ここでのセリフはココに書かれています。

 

 

P222 悪魔の言葉「なんでできないんだ」

    ⇒魔法の言葉「どうやったらできるかな」

 

P224 悪魔の言葉「やる気はないのか?」

    ⇒魔法の言葉「やり遂げたら気持ちがいいぞ」

 

 

 

【2】ペップトークのシナリオ事例①

(9’53”~)

 

 

同じシーンにペップトークの事例が紹介されています。

 

「俺たち企画部は、難しい発注に怯んでいるわけにはいかないんだ。

いいか、みんなも知っている桃太郎は全知全能のスーパーヒーローじゃなかった。

知恵を持つ猿、勇気を持つ犬、洞察力を持つ雉とのチームワークで鬼を退治したんだ。

いわばチーム桃太郎の勝利である」

 

これは「心に響くコミュニケーション ペップトーク」のP201に掲載されています。

 

【3】ペップトーク「ディレクションの法則」

(13’19”~)

 

 

これからペップトークを始めるために、生徒たちが聴くことに集中する環境を作ります。

(上の写真はP60)

 

 

「大原君、スマホ切る!」

というセリフが出てきますが、この章のP70「ペップトークを成功する環境づくり」に

・雑音を排除する(ヘッドホンを外させる、BGMを消す…など)

とあります。

 

 

【4】ペップトーク「パフォーマンスの法則」①

(14’31”~)

 

 

そしてこの後でペップトーク・・・

 

なのですが、キメゼリフを忘れてずっこけてしまいます。

 

でも「ペップトーク パフォーマンスの法則」P123の「POINT!」に書かれている通り

「失敗した時も慌てず、間のマジックを活用する」ことで見事に乗り越えてペップトークを成功させます。

 

 

 

【5】ペップトークのシナリオ事例②

(33’23”~)

 

 

オープンキャンパスでの授業に出てくるペップトークです。

 

「みんな、初めて自転車に乗ったときのことを思い出して。

最初は誰かが後を支えてくれなかったら怖かったけど、一人で乗れた時は楽しかったでしょう?

勉強も同じよ。

誰にも頼らずに問題がとけたときは、めっちゃ楽しい。

そして勉強の楽しさは、先生や家族や周りのみんなが喜んでくれた時に最高に大きくなる。

君たちの努力が君たち自身の歓びを生み、

君たちの努力が周りのみんなを喜ばせるの。

勉強がんばればかんばるほど、どんどん楽しくなってくる。

さあ、Let's begin!」

 

これは書籍のP98とP196の「仕事」事例を「勉強」に置き換えたものです。

 

 

 

【6】ペップトーク「パフォーマンスの法則」②

(34’47”~)

 

これもオープンキャンパスの授業中に出てくるペップトークですが、先生の聴衆(授業をうけている生徒、オープンキャンパスに参加した父兄と子供たち)へのパフォーマンスに注目です。

 

 

「みんなもね、間違えることを怖がっちゃいけない。

たくさん間違えることで人間は成長していくんだから。

ね。

ココ、私に拍手!」

 

P121 ペップトーク「パフォーマンスの法則」-2

論理的な行動計画に豊かな感情表現を加える

 

P127 ペップトーク「パフォーマンスの法則」-5

聴衆一人ひとりに語りかける目配り

聴衆の反応を見逃さない気配り

 

P131 ペップトーク「パフォーマンスの法則」-7

ボディアクションで熱意や力強さを伝える

 

 

 

 

 

多分、私が見逃しているだけで、このほかにも多くのシカケがされていることと思います。

 

「ペップトーク」のチカラもさることながら、ひとつのドラマの脚本にこれだけ書籍の内容が生かされているという事は、この本がいかに素晴らしいものであるかの証明ですね。