隙間です

昨日 病院で ささやかな 父親の誕生日を眠っているだけの母親とした

クラッカーもない ましてはケーキもない

でも そこには 昔の家族があった

また 弱い隙間は 涙が零れ

なにも 母親には伝えることができなかった



隙間は 僕に関係する人のためにも

そして 僕の生き方も

後悔しない人生を歩もうと決めたんだ

それは 

愛されているから

隙間より


心の隙間

              紅い涙


夏休み前の落ち着いた朝礼の日に 全校生徒の目の前で殴られた

口の中で奥歯が砕け散るまま ずっと 無言のまま 立ちすくんでいた

意味もなく 校庭に僕の血がスプリンクラーのように人の周りに飛び散っていた

耳に届く 微かに聞こえる教師達の笑い声 失神寸前に泣き崩れる女の子

あまりにも理由がわからず 絵本のピノキオのように やられるままだった

顔を素手でふさいでも ふさいでも だれも 僕には 何も ようはなかった 

僕の感情は そこで人間が嫌いになった そこで僕は人間に生まれたことを後悔した

目に映る紅い涙 空の雲が紅く見え 僕の手のひらも夕焼けと同じように紅かった






山の上の鉄塔で 足を引きずりながら おびただしい服を水で洗ってた

血管のように流れ落ちていく血をみながら 哀しくて冷めた地面に頭を擦りつけた

どうすることもできない事が僕には堪らなく 家に帰ることが寂しく思えた

片ほうがなくなった 誕生日に買ってもらった大事なシューズ 目が開きにくい腫れた目

僕は体を”く”の字に曲げながら 草むらで体温が同化するくらい痛みで倒れてた

動けなく 叫んでも わめいても だれも僕の声は 大人の心には届かなかった

僕の感情は そこで人間が嫌いになった そこで僕は人間に生まれたことを後悔した

目に映る紅い涙 夜空の星は 叶える夢もなく 差別ということしか そこにはなかった



詩:隙間