隙間です

まだスタートが1歩も進んでいない

耳元で だれかが 囁いている

振り向いても だれもいない。

波の音だけが 僕に笑顔をくれたね

隙間より

心の隙間

                 ループ

どうしても やりきれないことがあった どうしても 自分という己を確かめたかった

波打ち際を歩きながら 自分の陰を追いかけた 自分を追い求めて

無理に人生の落としてしまった 心を拾い集めて 砂浜を途方もなく歩いていた

犬を連れ 散歩をする老人 寄り添うように海を見ている男女 そして 吹き抜ける風

果てしなく続く波 頭の中を人の憎しみだけが葛藤する このままでいいのだろうかと

雲が自分から逃げるように流れ 波がしぶきとしぶきがぶつかり合い 時間が過ぎていく

脈打つ鼓動が波とループする 目に映る 落ちかけた太陽がとても優しく思えた

ずっと 海を見てた ずっと 遠くの彼方を なぜか また 海を見てた





このまま 静かに人間の灯を消したかった 波に流れるまま 君の所に行きたかった

目の前の海を見ながら 見えない君を探してた 見えないうしろ姿を

過去に打ちのめされても 孤独は変わりはしなかった スーツのまま 腰まで海に入っていた

冷たい海 遠くに見える小さな貨物船 海に光り輝く太陽 そして 揺れる波 

終われない人生 思えば思うほど 悲しさが涙になる このままでいいのだろうかと

海に見える君の陽炎が消え 激しい波が自分の胸に突き刺さり 新しい波が現われる

脈打つ鼓動が波とループする 君の場所へはたどり着けない 臆病な自分がとても情けなく思えた

ずっと 君を探していた ずっと なぜか 遠くの過去を ずっと また 君を探してた


詩:隙間