隙間です

この時期になると 体がおかしくなる

体の中で 針ねずみが 駆け回る

それは 笑っているのか 怒っているのか わからないが

痛みでわかる

憎しみだ

聞こえるか

僕の声が聞こえるか

もう 僕は ガラクタの人形なんだ

隙間より

心の隙間

              幸せの呼吸

呼吸が子犬のようにとても静寂だった モデルルームのような病院の中で

君は冷たい真白なベットの上で ずっと 目をつぶっていたねぇ

街はきらびやかイブの夜で この空間だけが命の鼓動と戦っていた

点滴の滴る音だけが 部屋中に響きわたり 僕たちは残り少ない恋愛をしていたね

何も知らない街が悔しかった 何もできない愚かな僕がとても嫌だった

僕は ”明日は好きか”と訪ねた  君は”明日は残酷だね”と呟いた 

そして 君に優しいキスをした そして 僕は君の幸せの呼吸を待っていた




数々の想い出が胸にこみあげてきた瞬間 眩しい日差しの部屋の中で

君は春に咲く花の周りでしっかりと手を握りしめて 笑みを浮かべていたねぇ

外は他人事のように人生が動いていて ここだけが君との最後の待ち合わせ場所に見えた

無表情の医者からの無情の宣告 その時だけでも二人の時間を止めてほしかった

何も見えない未来が怖かった どうする事もできない不安がとても哀しかった

君の髪の毛を優しく撫でた  逃げなかった君の顔をずっと 見てた 

そして 君に最後のキスをした そして 幸せの呼吸を最後まで望んでいた



詩:隙間