夏井いつきの 秋の歳時記 ふるさとの月の港をよぎるのみ
虚子


月天心貧しき町を通りけり
蕪村


月さして一間の家でありにけり
鬼城


ほつと月がある東京に来てゐる
山頭火


月光にいのち死にゆくひとゝ寝る
多佳子


月光の固まりである石の斧
ムツオ


獣にも逢瀬はありぬけふの月
雨子


聲かれて猿の歯白し峰の月
其角


かつしかや月さす家は下水端
一茶


かろき子は月にあづけむ肩車
寒太


~夏井いつき秋の歳時記より。




句友、雨子さんの秀句も掲載されています。
ぜひ御一読くださいませ。


春満月の鋸山を転げ落つ




春の月で一句どうぞ。