◆俳句の作り方 )


《擬人法を使う》



擬人法はなるべく使わない/というのがいまの俳句ですが、うまく使えば面白いと思います。


新涼や豆腐驚く唐辛子/前田普羅


黄砂舞う街を駱駝となりて行く/悠



なぜ擬人法を嫌うかと言えば、俳句の創始者である子規が
下に挙げる月並みな表現として、擬人法を否定したのです。
【駄洒落/穿ち/謎かけ/理知/教訓/嫌味/小利口/小主観/擬人法】


~明治書院《俳諧大辞典》には以上のように、月並み俳句のいろいろに、擬人法を揚げています

要約すると、知識をひけらかす(難語使用)手法や、理屈っぽい俳句を詩に反する月並み句としています。

しかし、それは安易に使うからだと思います。
いままでに無かった擬人化を思い付けば面白い句になるでしょう。
表現にタブーというものはありません。

禁じ手を上手く使いましょう。


擬人法のいろいろな俳句。



・菊の香や奈良には古き仏たち/芭蕉


仏たち/という言い方が、あたかも生身の人間を指すような擬人法です。



・海に出て木枯し帰るところなし/誓子

海に出て/が
木枯しを人間のように表現しています。



・くらがりに歳月を負ふ冬帽子/石原八束

老人を冬帽子に擬人化しています。





擬人法で一句どうぞ。