五月(ごがつ、ごぐわつ)初夏
【子季語】
五月来る、聖五月
【解説】
この月から夏に入るが、まだ、暑さや湿気が少ない。新緑が萌え て、一年の中でも特に清々しさを感じられる頃である。
【例句】
海ははれて比叡ふりのこす五月哉
芭蕉「詠草」

うすうすと窓に日のさす五月かな  
正岡子規「寒山落木」

門川に流れ藻絶えぬ五月かな 
河東碧梧桐「筑摩文学全集」

美しき五月微熱を憂しとせぬ 
日野草城「旦暮」

とぎ屋きて村の五月の簷下に
長谷川素逝「ホトトギス雑詠選集」
~きごさい~


《三句/聖五月》

男根の幹たくましき聖五月

バイブルにマリアの恥毛聖五月

聖五月こすりて匙を太らしむ




語録 芭蕉

凡そ、物を作するに、本性をしるべし。
しらざる時は、珍物新詩に魂を奪はれて、外の事になれり。
魂を奪はるるは、その物に著する故なり。
是を本意を失ふといふ。



表現対象の本質を認識すること。



聖五月で一句どうぞ。