季語 虹
(再掲)











虹/三夏
にじ
朝虹
夕虹
虹立つ
虹の橋


雨の後、太陽と反対側の空に現れるアーチ型の七色の帯
短い間に消えることから、儚い望みにも喩えられる







例句



野にひかるものみな墓群冬の虹

黒田杏子


ちりめんを織る音に立つ冬の虹

加藤三七子


庄内は稲のかりどき虹立てり

鷲谷七菜子


過呼吸の少女吐き出す秋の虹

阪間恒子


西空の虹行き切符で逝きし人

平井さち子


冬虹を渡りて来しが又も虹









《レシピ》



季語と主題



俳句における主題とは、句に込められた作者から読者へのメッセージです。

俳句でも絵画でも音楽でも、作品にメッセージは必須です。


五月雨や大河を前に家二軒

蕪村


五月雨とは梅雨時の今で言う、集中豪雨のことです。
この雨が大河に降り続けて、河は今にも溢れそうになっています。
その溢れそうになった河岸に、人家が二軒身を寄せ合うようにしている。

蕪村が17文字で描いたこの画に何かを感じるでしょう。
あるいは轟々と流れる濁流の音が聞こえるかも知れない。

今にも川浪に呑まれそうな家に不安を覚えるでしょう。

何かを感じ取るとしたら、その感じ取ったものが、蕪村が句に込めたメッセージです。テーマです。

五月雨/豪雨は句のメッセージを伝える謂わばキーワードです。


例えば

五月雨を春雨と言う季語に置き換えると

春雨や大河を前に家二軒

句は全く違うものになりますね。何を言いたいのか、メッセージもハッキリしません。

俳句はメッセージを贈る詩。

・季語はメッセージを伝えるためのキーワード

この二点をしっかり認識したいと思います。


よろしければ虹で一句どうぞ。