薔薇の香の重たき齢となりにけり
薔薇→夏

山肌を海へ飛び込む半夏生
半夏生→夏

街の児となりて久しく蛍見づ
蛍→夏

来し方を覗かば深き皐月闇
皐月闇→夏

遊行忌やサーファーたちの伊予の海
遊行忌→夏

向日葵の富士を低しと伸びゆけり
向日葵→夏

また一つ骨壺濡らし半夏雨
半夏雨→夏




作法

ひとりだけ違う俳句
集団の中の異端児
孤高 高雅 孤立抑圧 寂寥感などの詩情を漂わす


ただなかに一羽の雄や秋の鶏
松澤鍬江


蟹無数穴無数ひとりむすこかな
北川邦陽


鳩の中曲者面の寒鴉
猿山木魂


群鶏の中を百足虫の走りくる
亀田虎童子




よろしければ梅雨の季語で一句どうぞ。