季語 火取虫
三夏


火取虫
ひとりむし

蛾のことです。夏の夜、灯りを慕って飛んでくる蛾は、花に慕いよる蝶に比べて姿も醜く忌み嫌われます。


例句


幽冥へおつる音あり火取虫
蛇忽


金粉をこぼして火蛾やすさまじき
たかし


なんぼたたいてもあけてやらないぞ火取虫
山頭火


蝋燭を這ひ上りゆく火とり虫
草田男


今宵蛾に触りてしこめと吾がなりし
鷹女


ひとりむし朝の光に累々と







語録

上手になる道筋たしかにあり。
師によらず、弟子によらず、流によらず、器によらず、畢竟句数多く吐き出したるものの、昨日の我に飽きける人こそ、上手にはなれり。
~許六著《扁突》より、芭蕉の言。




上達するには、師も弟子もたよらず、流行やスタイルを真似ず、自己の才に溺れず、
つまるところは、ひたすら数多く句を作り、常に新しい自分の句を追求することである。






よろしければ、火取虫~蛾で一句どうぞ。