「好きだよ、チャンミン。」
一番聞きたい言葉は、こんなにも簡単に声にだされる。
「チャンミンが俺の弟だったらなぁ。」
そう、弟という、都合のいいくくりで。
「弟、、、か。」
「いや、おまえが女だったら、絶対付き合ってた。」
あほ!ばか!一番聞きたくない言葉だ。
僕が男でいる限り、絶対、ユノの恋人にはなれないってことだろう?
「嫌だね。例え、僕が女だったとしても、ユノみたいに、誰にでも優しいやつなんか、信用できないもん。」
「おまえ、それ、誰かから聞いたのか?」
「え?何が?」
「前の彼女、おまえと同じこと言って離れていったよ。自分から優しいユノ君が好きって言ってくせにおかしくないか?誰にでも優しいのは嫌だって、矛盾してるよな。」
「矛盾してないよ。どうして、わからないかな。」
「何が。」
「例えば、海で船が転覆したとする。泳げる彼女と、泳げない友達がいたら、どっちを先に助ける?」
「そりゃあ、当然、泳げない友達だろう?」
「ばかか。それがダメなんだよ。」
「は?」
「いい。女は常に一番に見られたいものだよ。嘘でも、君が一番って言わなきゃ。」
「そんな嘘つけないだろう。人の生死が関わるときの話で。」
「じゃあ、泳げる僕と泳げる彼女が落ちたら、どちらを先に助ける。」
「うーん、そこは、レディファーストだろう。」
「うん、そう正解。」
わからんちん。チャンミンって言えよ。今、彼女いないんだからさ。
「でもさ、、、もしかしたら、俺、先にチャンミン助けるかも。」
やっぱり、ユノは、おたんこなすだ。そんなこと言われたら、胸が苦しくなるだろう。
「あとで文句言われるからだろう。」
「そう、正解。」
ユノの頭を軽く小突いた。
「こら、年下のくせに。」
「精神年齢は僕の上だよ。」
「うーん、そこは、反論できないな。じゃなくて、こいつ、こうしてやる。」
ユノは僕の頬を撫でるくらいに軽く叩く。
そこから、熱が伝わる。
心臓まで伝わる前に、この部屋から出ないとおかしくなりそうだ。
「やめた。風呂入ってくる。」
「俺も入る。」
「ふざけんなよ。帰れよ。」
「冷たいな、チャンミン。」
「当たり前だ。クールビューティー様だからな。ハハハハハ。」
そうでもして、ここから逃れないと、ユノへの気持ちがばれちゃうよ。
いい加減気がつけよ。僕の気持ち。
いや、気がつかないでくれ。僕の想い。
※チョーひざひさに更新。まだまだ肉体的にも精神的にもいっぱいいっぱいの日々。リハビリ的にゆっくりやってきます。
よかったら、おつきあいくださいませ。