その頃旦那は、会社の2階に避難していた。津波第一波が遠くに見えてたと思ったら、ものの数分のうちに、ドドドドーッと勢い良く来て、すぐ会社を埋めつくし1階の天井まで浸水。この時、旦那は死を覚悟してたらしい。

数時間後、第一波が引き、ここは危ないから、3階の棟に逃げることになり、急いで逃げた。
そしたら、すぐ第二波が来て、トラックなどが流れていた。

その時宮城は雪が降っていた。

停電の真っ暗闇の中、氷点下になるくらいの寒さの中で、会社にあった段ボールや袋で体を温めていた。

情報は、ラジオ、携帯のテレビを聞いてつかんでいた。色々聞いていたら、携帯の充電がついに切れた。


寝ようにも眠れなかった。また津波が押し寄せてくる恐怖、地震のガタガタ音がしたりと、このまま帰れるのだろうかと不安だった。

気付いたら少し寝ていた。

朝日が出てきて、津波も落ち着いた。


朝9時、ようやく水が引き(まだ腰~膝部までは浸水)、安全を確認したので、男女混合のグループを作り、男性は女性を家近くまで送る、もしくは避難所に送りながら帰ることになった。

ただ自分達の車は津波で流されていたため、全員、びしょ濡れになりながら徒歩で帰宅した。電車もバスもストップしていたため、30km以上も歩いた人もいた。
幸い、天気は晴れていたので寒くはなかった。


旦那は、グループ内の女性の家が海に近いため流されている可能性が高いので、避難所に送り届けた。
そして、ようやく旦那は隣の街の実家に徒歩で帰った。


旦那は両親と一緒に、私が避難している実家に車で送ってもらった。



私は、旦那と深夜から連絡が取れておらず、水も引かないだろうと予想してたから2~3日は帰ってこれないと思っていた。


そしたら、窓から急に旦那が見えたので、何か幻を見ているのかと一瞬思った。


旦那だ!!!
生きてたーーー!!!
よかったぁぁぁー!




あの時の嬉しいを通り越した感情は、初めて体感するし、一生忘れられない。


もうこんな思いはしたくない。

つづく