まず、はじめに「過重労働による健康障害防止のための総合対策について」という
言葉を検索してみてください。厚生労働省のHPに時間外労働に関するチェック項目が
でてきます。そして、その結果のところには、時間外労働が月100時間を越える場合、
脳出血などの脳血管疾患や心筋梗塞などの虚血性心疾患の発症などの健康障害のリスクが
高くなる、と記載されています。
そして、もう一つ。厚生労働省の「医師の需給に関する検討会」というのがあります。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/03/s0327-2d.html
これによると、常勤医師における1週間の平均労働時間は70時間を超えているため、
時間外労働は月120時間です。 同じ厚生労働省が、一方では「健康のために時間外労働を
月100時間以内にするように」と言っておきながら、他方では健康管理する側である医師の
時間外労働には目もくれないわけです。
しかし、「医師の需給に関する検討会」もバカではありません。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/03/s0327-2d.html
上記資料に基づき、医師の労働時間は「入院・外来診療」のみでちょうど週40時間であり
それ以外の時間は勤務にあたらない、としているのです。 自己研修も教育も研究も労働時間には
ならないのです。 国民のために、日々進歩する医療を勉強することも、将来の日本のために
後進の指導にあたることも、労働時間ではないのです。
(そうすると、大学教授の労働時間はどうなるんだろう・・・)
以前、ある小児科医がくも膜下出血で亡くなり、過労死と認定されました。
その医師は、毎日3時間以上の残業、当直が月3,4回、その他に研究や研修医の
指導に当たっていた、ということです。 当直の回数も残業の時間数も、医師にとっては
平均的なほう(ひょっとしたら少ないほうかも)ではないでしょうか。 それでも、死亡すれば「過労死」と
認定されるレベルなのです。
厚生労働省の医師に対する方針は 生かさぬように、殺さぬようになのです。