さて、研修医の皆さん。
輸液の勉強はしていますか?
恥ずかしながら、私はしっかりと勉強せずに来てしまいました。
ぼんやりと、こういうときにはこれ、といった感じで選んでいましたし、
どれを選ぶかは、上の先生の好みのようなものもあったと思います。
しかし!!!一念発起して、私は輸液を勉強いたしました!!
(いまさら???)
まずは、基本的な知識の整理です。
人間の体重の何割が水分かご存知ですか?
これは非医療従事者でも知っているかもしれません。
(私は忘れていました・・・)
そう、体重の6割が水分です。
で、細胞内:細胞外=2:1で分布しています。
細胞外がさらに、間質:血管内=3:1で分布するわけです。
ここまでが基本的な知識となります。
で、肝心の輸液メニューになってくるわけですが、
生理食塩水を輸液した場合、体内でどのように分布するかご存知ですか?
生理食塩水というのは、浸透圧が細胞外液と同じであるため、
輸液した分が全て細胞外に分布します。ですので、
1Lの生理食塩水を輸液すれば、4分の1の250mLが血管内に分布します。
ですので、脱水の可能性がある場合には、まず生理食塩水で輸液するわけです、たぶん
輸液した量のうち、どれだけが血管内に分布するのか、ということを考えるときには
すべて、この生理食塩水の分布が基本的な考え方となります。
浸透圧を規定するイオンは、NaとKですから、生理食塩水のNa、K合計154mEqを基準にします。
つまり、輸液A:1Lに含まれるNa、K合計が77mEqだった場合、2分の1生理食塩水にあたるわけですから
500mL生理食塩水と、500mL自由水を輸液したことになるわけですね。
500mL生理食塩水は、細胞外に分布し、その4分の1の125mLが血管外に分布します。
自由水500mLのほうですが、細胞内・細胞外に等しく分布してしまうので、血管外には12分の1の
40mLほどしか分布しません。
ですので、1L輸液しても、血管外には170mLほどしか分布しないことになるわけです。
まぁ、そんな感じで、輸液の勉強をいたしました。
ひょっとしたら間違っている部分もあるかもしれませんので、ご指摘いただけると幸いです。
(ブドウ糖液の場合は、ブドウ糖が速やかに代謝されてしまうため、自由水扱いで分布を考えるようです)