少し古い情報になりますが
<<以下、読売新聞より抜粋>>
神奈川県大和市立病院で1997年、帝王切開が遅れたため
重い後遺症が残ったとして、東京都内の養護学校4年の男子児童(10)と
両親が、市に介護費用や慰謝料など約1億9200万円の損害賠償を
求めた訴訟の判決が28日、横浜地裁であった。
三木勇次裁判長は「(帝王切開は)遅きに失し、後遺症との因果関係が
認められる」と述べ、市に約1億4300万円の支払いを命じた。
判決によると、男児の母親(35)は97年2月24日、陣痛が起きて入院した。
胎児に心拍数の低下などの異常があったことから、病院は帝王切開を
決めたが、手術決定から出産まで約1時間20分かかり、男児は仮死状態で
生まれて低酸素脳症となり、四肢がマヒする重度の障害が残った。
三木裁判長は「心拍数が低下した時点で、病院は帝王切開の準備をする
義務があったが、怠った。夜間、麻酔科医らが常駐しておらず、医師を
呼び出すなど出産まで1時間以上かかった」と指摘した。
大宮東生・院長は記者会見で、「可能な限り適切な処置を行っており、
過失はない。後遺症との因果関係もない」と話し、市として控訴する方針を
明らかにした。
<<抜粋終わり>>
何でしょう、この判決は。
この裁判長は、夜間、麻酔科医が常駐していない病院は
お産をしてはいけない、と言ったんですね。
世間知らずも甚だしいです。
医者は世間知らず、とよく言いますが
司法の人間こそ世間知らず、なのではないでしょうか。
帝王切開決定から手術まで1時間20分かかったのが
遅すぎだ、というのなら、具体的にどれくらいの時間が
かかっていたら、問題ない、というのでしょうか。
具体的な目標時間も出さず、ただ結果が悪かったから
その原因を医療側に求めるのは、非常に誤った方針です。
ちゃんとした判決を出すのなら、
具体的に、手術決定から出産までこれくらいの時間が
かかるのは仕方がない。それを達成するためには
麻酔科医をはじめ、これだけの手術スタッフを
「毎日」
病院に常駐させなければならない。
そういった建設的な判決を出すべきではないでしょうか。
ただ単に、
手術決定から出産まで1時間以上もかかったの??
なんでそんなにかかるの?
30分くらいでできるんじゃないの?
という感覚的な判決内容にしかなっていないように思えます。
横浜地裁の三木勇次裁判長は
感覚的な判決しか出せないのでしょうか。
今の日本の医療状況を正しく理解できていない人間が
なぜ、医療を裁くのでしょうか。
ほんの少し勉強すれば、お産をする病院全てに
麻酔科医を毎日常駐させておくことなど不可能に近いことくらい
わかりそうなものなのに・・・