初期臨床研修1年目が始って、そろそろ半年が経過しようとしています。


われながら、半年前と比べて、結構知識がついたな、と思うように

なりました。お世辞にも、研修体制が非常に整っている病院とは

言えませんが、何より自分で調べ物をする時間が豊富にあり、

かなり自己学習で知識をつけることができました。


少なくとも、夜勤救急外来にて、これだけは除外しなければ、

という疾患くらいは、何も見なくても考えられるようにはなってきました。




そうは言っても、この半年だけで、医学の奥深さ・難しさを痛感しています。



いろいろな教科書で勉強していると、よく出てくる言葉として



感度・特異度



というのがあります。



簡単に言ってしまえば、どれくらいその疾患らしいか、

どれくらいその疾患ではなさそうか、といった確率なんですが、

まぁ、どの検査をとってみても、100%なんてものは

ありません。




そういう100%ではない数値を見るに付け、



あー、残りの数%にあたってしまったら、訴えられるんだろうな



なんて憂鬱な気分になります。


検査だけでなく、多くの症例を経験し、医師としての勘のようなものを

磨けば、確率を上げることはできるのでしょう。

でも、100%なんて絶対にありえないわけです。



そう考えると、なんだか勉強するのがむなしくなってしまいます。

90%の確率を99%にあげたところで、外れの1%に

あたってしまえば



有罪



ある論文では、ベテラン内科医の経験からくる診断よりも

一つの検査のほうが有用であった、という報告まであります。

それでも、当然100%なんかではありません。

じゃあ、経験って何なんだ?って思ってしまいます。






あくまで結果責任を問われるようになってしまった、この国で

医療に未来はあるのでしょうか。