そんなこんなで昨日も法律違反を犯してしまいました。


ええ、当直と言う名の夜勤のことです。



相変わらず、他人の睡眠時間など考えもしない患者が

ゾロゾロとやってきます。



昨日も、夜中3時過ぎにPHSがなりました。


「耳の中にパチンコ玉が入った人が来ました。年齢は4歳くらいです」



ああ、また小さい子供が異物を入れてしまったんだなぁ、

お母さんも心配で救急外来に来たんだなぁ。



でも、そんなの関係ねぇ

そんなの関係ねぇ


おっぱっぴー



というわけで、眠い目をこすりながら、イライラする気持ちを抑えながら

救急外来に向かいます。


診察室に入って、どうぞー、というと、まずはお父さんが入ってきました。

耳に異物が入ったんですねぇ、と確認しながらカルテを

書いていたのですが、一向にお子さんが入ってきません。


あれ、お子さんは?


と尋ねると


え?


と、お父さん。


変な間が流れます。あれ、と思ってカルテを見てみると


バッチリ、お父さんのカルテです・・・


PHSで教えてもらった年齢は


4歳くらい


ではなく、


40歳くらい


だったんですね・・・


一気に脱力感が襲ってきました。


・・・なんでパチンコ玉が耳に?


いやー、何か遊んでたらスポって入ってね。


・・・


私が研修医ではなく、何らかの専門医を取るくらい経験と

自信のある医者なら、確実に怒鳴り散らしていたでしょう。


しかし、残念ながら患者を怒鳴るだけの自信も知識も

持ち合わせていません。

耳に入ったパチンコ玉をとらなかった場合の5年生存率なんて

聞いたこともありませんから、そんなことで

夜中に受診するな、とも言えません。


やむを得ず、耳鏡を取り出して診察です。

先日の耳に虫が入った一件以来、耳鏡には抵抗がなくなりました。


今回も自信をもって耳鏡をのぞいてみたのですが、

どういうわけか視界不良です。上手く耳の中が見えません。



それもそのはず

肉眼で容易に確認できるような位置に

パチンコ玉が鎮座していました・・・・


耳鏡なんて必要なかったのです。


そんなわけで、夜中3時にパチンコ玉と

格闘すること5分・・・


また、あの時の虫のように、私は外耳道異物に

負けてしまうのか


そんな嫌な予感が頭をよぎったものの、

今回は見事勝利をかざることができました。



というのも、パチンコ玉には、しっかりと

パチンコ店の名前が彫られていたのです。

その文字のへこんだ部分が取っ掛かりとなって

見事に取れたのでした。



ちゃんちゃん。



これで、外耳道異物杯 深夜救急外来トーナメント 予選リーグ


1勝1敗の首位です。