久しぶりに、QOMLについて書きたい、と思います。

QOML=quality of my life


患者の生活を第一に考えるのではなく、医師自身の生活も

大事にしましょう。


こんなことを書くと、一昔前の奴隷研修医を経験してきた医師や

それが当然だと洗脳されている若い医師が、文句を言ってきそうですが。


少なくとも、一昔前のようにパターナリズムが通用しなくなっている現状で

奴隷にたいする見返りは、

10人中5人が感謝、4人が治して当然、そして最後の1人が


訴訟


というものになっています。

まぁ、実際の比率なんてのはわからないですし、1割が

訴訟って言うのも言いすぎではありますが、少なくとも

今の研修医の中で、そういった「訴訟」と「自分自身の生活」を

ちゃんと考えている人間にとっては、


10人中9人が治して当たり前

10人中9人が訴訟というナイフを隠し持っていて

結果に不満があれば、10人中10人が訴訟を起こす

そして、運が悪ければ


逮捕


される。

そう思っているのです。


そんな現状で、ナイフを隠し持っている患者のために

自分自身の生活を犠牲にしろ、と言われても、虚しく

聞こえてしまいます。



そんなこんなで、少なくとも多数の科を「たらい回し」にされる

初期研修の間は、奴隷研修を受けても実りが少なく、QOMLを

重視したほうがいいのではないか、と思っていますし、

そういう基準で選んだ今の病院が、それほど誤った選択肢では

なかったな、と考えています。


ただ一つ、誤算だったのは、当直という名の夜勤だけです。

これほど、睡眠時間を削って「プライマリ」という名の「コンビニ」業務を

行うことが辛いことだとは思いませんでした。


3次救急がやりたい、って言うわけではありませんが、

夜中2時にたたき起こされて、


2週間前から調子の悪い風邪患者の相手をする


のと、


心配停止状態で運び込まれてきた患者の相手をする


のでは、疲れ具合が違います。

正直、前者なら10分もせずに診療が終わって、また睡眠することが

できますが、イライラした気持ちは到底おさまりません。翌日どころか、

二度と救急外来なんてやりたくない、というトラウマにさえなってしまいます。

後者であれば、下手をすれば1時間、2時間と働かなければなりません。

確かに睡眠時間が削られるのは痛いですが、当然イライラした気持ちなんて

起こりませんし、トラウマにもならないでしょう。助かる可能性は低いですが、

それでも助かれば、まだこちらも救われます。



そういうわけで、働き始めるまでは、夜勤中に軽い患者しか来ない病院が

QOMLの高い病院だ、と思っていましたが、決してそうではないのです。

3次救急は論外ですが、2次救急でも出来るだけ救外患者の少ない病院を

選ばなければならなかったのです・・・

私は、その点だけ失敗してしまいました。


地域の基幹病院に寄生するように存在している、ナンバー2の病院では

まだまだ甘かったのです。

ちゃんと探して、ナンバー3、ナンバー4の病院にしなければならなかった。

今では、それをものすごく後悔しております。



たしか、以前に

「北国QOML研修医」先生にもコメントを頂いたのですが、

やはりナンバー3、4の病院のほうがQOMLは断然高いようです。



全国の研修医の皆さん

この病院がナンバー3,4の病院だよ、というのをご存知でしたら

教えていただけませんか?

このブログを読んでいる学生さんのためにも、そういう情報は

必要だと思うのです。全く見ず知らずの土地の基幹病院やナンバー3の

病院なんて、わかりにくいですからね。