さあ、目黒川との試合だ
「安仁屋達は あいつらに打ち勝つことで 愚かだったあの頃と決別しようとしてるんです 亡霊を倒し本当の意味の勝利を手に入れるんですよ」
「いや… 平っち ダメだって こんなとこ来ちゃ」
「ピッチャー交代 監督命令だ フンッ ついに来たぜ 俺様の時代が~っ」
「ピンチになりゃ リリーフは当然だろ てめえ一人で戦ってんじゃねえってことだよ」
「実力の差が、泥や染み付いた汗で埋まるとは思いませんが 私は何となく この接戦も分かるような…」
「君達は野球が好きで始めたんじゃないのか? 野球が上手くなれたのは、それだけの努力をしてきたからだろ そんな努力の日々を、自分の夢を、野球を
バカにするなーっ!
以上 プレー!」
「これこそ俺達が挑むべき戦いじゃないのか? これからがお前達の真価を問われる時だろ いいか 勝つためには1点でも、1点でも多く取るしかない
お前達が生まれて初めて経験した努力の全てを 後半戦に賭けてみるんだ そして勝って、今日をこの13人で掴んだ初勝利の日にするんだ 何としても絶対に!」
「勝ったところで、次に勝ち進めるわけでもなければ、何の見返りもないがな」
「ゴー ニコガク ゴー!」
-13人揃っては初めてだよね
「バカ! 安仁屋のカーブだって読まれてんだぞ
さすがに7点差はきついだろ どう考えたって、こっから挽回できっこなんか…」
「亡霊みてえなツラしてんじゃねえよ! こんなとこで諦めてたまるかよ 俺は… 俺達は、まだ何もかも途中なんだぞ
ここで諦めたら戻っちまうよ あのクソッたれた頃によ このままじゃ終われねえ 俺達は、こんなもんじゃねえだろ!」
「うおぉぉっ」
「ナイスファイト!新庄!」
-嗚呼、涙が…
「ビビッてんじゃねえぞ、この鼻毛野郎!」
「桧山! ぜってえ、打て 死んでも打て」
「何だよ 任せとけって みんな何か、チームの役に立ってんのによ 俺だけ荷物扱いされてたまっかよ ぜってえ ぶち込んでやるよ」
「ピンチヒッター 平塚」
「何だと てめえ!ふざけんな コラッ
なんでだよっ なんで俺んとこで! てめえ クソ川藤
俺が役立たずだからか? 俺が荷物だからか? 何とか言えよっ!」
「桧山 代われ…」
「しょうがねえよ 別に桧山を認めてねえわけじゃねえ 勝つためだよ そういうもんだろ? チームプレーって」
「頼む 俺達の底力、見せてやってくれ
頼むぞ 平塚!」
「任せろ!」
-若菜が…、桧山が…
「お前に俺達の夢は潰させねえ」
「平塚君 打ってぇーっ!」
「聞こえたぜ 女神の声が!
ランディ・バース!」
「すげえな お前は!」
「クセとか言う前に カーブ投げる時握り確かめんのやめろ」
「つーか 早く言えバーカ」
「最後まで 一度も諦めなかったのは、あの男だけかもしれんな 大した監督だよ」
「誰が手ぇ出せっつった! 入ってくんじゃねえっ」
「ストライク バッターアウト ゲームセット」
-キャー、初勝利だ
「夢みたい…」
「いや 今… 夢に一歩近づいたんだよ」
「初心に戻ろう 仲間と一緒にプレーする喜びを また、一から取り戻そう」
「俺達が先輩達の夢を壊したから、辞めていったんだよ あんな事件、起こさなかったら きっと今でも野球続けたかったはずだよ 甲子園目指したかったはずだよ!
今だからこそ謝るべきだよ ケジメだろ、本当の」
「今更遅えんだよ 俺達がどんな思いで辞めたか、どんな思いで野球捨てたか お前らなんかに分かんのかよ!」
「…すいませんでした!」
-あの安仁屋の間がたまりません
~~ 主題歌 キセキ
「野球忘れようと思って、キャラけてみたけどよ つまんねえんだよっ お前ら、そんなヤツらじゃなかっただろう
お前ら… ぜってえ… ぜってえに… 辞めんなよ!」
「行こう 甲子園に
先輩達の思いも背負って いよいよだ」
目黒川に勝ったね
桧山の打席のシーンは、台詞を書きながら涙がじわっと出て、困っちゃたよ
さあ、甲子園へ頑張ろう