またまた、お久しぶりになりました。

 本当は4月の話なので、そのころに書きたかったのですが、なかなか書けず、今になりました。

 

 4月の半ば頃、以前働いていた職場の方(私より少しだけ年上、ほぼ同年代です)と何年振りかにお会いしました。

 その時、悲しくも美しく感動する話を聞いたので、お伝えします。

 

 その方の妹さんが3年ほど前に亡くなられたことに関する話です。

 妹さんは乳がんでした。

 妹さんの病気が発見された当時、私のほうが、先に闘病していたので、妹さんのことを話してくださいました。

 それで、私はその方の妹さんにお手紙を書きました。書いたことをすっかり忘れていたので、書いた内容も覚えていませんが、おそらく自分の知っている情報や、励ましの言葉などだったのだと思います。

 その方からかなり良くない状態であることを聞いていたので、どうしておられるだろうと思っていました。

 何度かその方と会おうと連絡しましたが、なかなかタイミングが悪く何年も会えませんでした。

 たまにメールやラインをしていましたが、たいした内容は書いていなかったので、妹さんの状況が分かりませんでしたし、私の方から聞くこともできませんでした。

 

 そして、この4月やっと会うことができました。

 喫茶店に行って、一緒にカレーライスを食べました。

 しばらくは現在の仕事の話などしていましたが、その方のほうから、妹さんが亡くなったことを話してくださいました。電話やメールで伝えようかと思ったけれど、やっぱりちゃんと会った時がいいと思って黙っていたそうです。

 そして、話はそれで終わりではありませんでした。

 妹さんから私に「ありがとうございました」と伝えてほしい。と言われたと話されました。

 私は驚きました。全く会ったことも、直接、メールさえしたこともない私を覚えていて、死の直前にお礼の言葉を残してくださったなんて。

 まだ、未成年の子どもと愛するご主人を残して、世を去っていく辛さは本当に計り知れないです。そのような中でその妹さんは、私だけでなく、思い当たる人すべてに感謝をして亡くなっていったそうです。

 

 このことは、私の心に大きな感動を与えました。そして、私に

「お前ならそんなふうにできるだろうか。」

と問いかけました。

 私の同僚の方も

「私だったらできない。妹はとても強くて、思いやりのある人だった。」

と話しておられました。

 

人を思いやろうとするなら、自分自身を強くしなければならないことを教えられました。