ようこそ、毒魔女図書館へ。

 

久々に、

ずっしり重い荷物を、

受け取った感じ。

 

これを、

誰かに渡したいゲロー!!

ので、はやる気持ちで書いている。

 

愚行録 

ぐこうろく

 

 

貫井徳郎原作。

物語は、

週刊誌の記者である、妻夫木聡が、

未解決の一家惨殺事件を追う、という流れ。

 

同時に、

妻夫木君には、妹がいて、

妹は幼児虐待の罪で、

精神鑑定を受けている。

キャスティングは満島ひかりで、

どこか遠くを見ながら、

淡々と喋る様子が、本当に恐ろしい。

 

 

一見、無関係。

2つのエピソードが、

どこでどうやって結びつくのか。

これが、本作の一番の謎で、魅力!!

 

 

物語は、

バスの乗客の顔で始まる。

 

普通の、

どこにでもありそうな人にも、

裏の顔があるのだと。

 

お喋りしている人、

眠たそうな人、

妊婦、高齢者。

 

一皮むくと、

小さな嫉妬や悪口、影口、

他者を出し抜いたり、蹴落としたり、

裏切ったり、騙したり。

 

愚かな、もう一人の自分

 

他人にやられたり、やり返したり、

繰り返して、

もし、その境界線を越えてしまったら……

 

 

100人に、

自分の印象をインタビューしたとして、

90人は、「いい人だった」と答え、

残りの数人が、

真逆の黒いエピソードを語り、

「えぇ? そんなひどいことされたの?」と、

裏の顔を知ることになる。

 

むしろ、

そっちが本当の顔じゃないか?

 

 

本作の恐ろしさは、

事件を追うにつれて、

被害者家族の裏の顔を見せられると同時に、

インタビュー側の妻夫木君の裏の顔も、

暴かれていく。

その、起爆剤は満島ひかりなのだが、

演技とは思えぬような独白。

 

 

終盤、事件の謎は解明されるが、

視聴者はすっきりしない。

底知れぬ恐怖に包まれたまま、

また、冒頭のバスの乗客の顔で終わるのだ。

日常の中に潜む、小さな影。

 

両肩にずっしりと迫る感じを味わって欲しい。