1週間前の水曜日の昼すぎに突然の電話。

父が入院している主治医の先生からで・・
病状が急変して
あと数日だと思われます。
いや・・・今日、今日すぐ来てください。
来れますか?

と・・・

正直、その日にそんな電話が来るとは

思っていなかったけれど
もちろんすぐに病院に向かいました。
電車の中で申し訳ないけれど

全部の仕事1週間キャンセルをして。

電車の中でもう死んじゃってたらどうしよう?

と頭によぎったりすると
人がたくさんいるのに涙が止まらない。
我慢とかできないレベルで
涙があふれてきた。

涙を止めるためるには?

ふと、縦長動画制作が頭によぎった。
動画制作は私に他の事を忘れさせてくれる。
まあまあ長い時間をかける事もできる。

父が寝たきりでも
目は動かせるかもしれない。

電車の中で縦長動画制作を開始した。
テーマは
新しいホームページ。

私の会社は創業26年目なんですけど

最初の2年は父が代表だったんです。

そのあとの24年を私が運営しています。
最初の2年はフランスのオートクチュール
素材などを使って仕立てた高級オリジナル
婦人服販売の会社です。
もちろんオリジナル100%。

そのあとの24年
がインターネットの世界へ

繋いでいったのですが

今後はネットショップよりも
教える仕事、伝える仕事、表現の仕事

プロモーションの仕事などに
シフトしたいため
新しいウエブサイト制作中だったんです。
まだ自分的に全然未完成だけど
20年以上持続した今までのサイトは終了。

2024年3月からのうちの会社の公式
ページを作ってた事を言ってなかった。

父は病気だったけれど
私の事をほんとに気にかけていて。
だからその事を動画なら伝えられるかも

と思って。

電車の中で夢中で制作した。
数秒の動画を見れていい方だと思う。
そんな予感もした。

病院について少し声をかけたり

手をさわったら、少し手が動いた。
スマホを取り出し
ミカだよ。
新しい公式ページを作ってるの。
見て見て。
今後はこのサイトで仕事運用するから。

父はつぶってた目をあけた。
そして目の前にあるスマホをじっと見た。

次の瞬間、手をスマホにあてて
何度はなでるようにじっと見た。
一瞬意味がわからなかったかもしれない。
でもじっと見た。

で、また目を閉じた。

それから4日間、父に話しかけ続けた。
誰かが面会にくると一瞬目をあけたり

手が動いた。
わかってるんだな。
と私は思いながら話しかけた。

土曜日、私の誕生日に仕事がお休みの

弟たちがそれぞれ来た。
今日の夜かもしれない。
私にはそんな予感がしていた。
弟たちは仕事の都合もあり帰宅の支度
をしていた。
私が、今日は病院に私が泊まるから
気を付けて帰って。と帰らせようとしたら

あれ???

 

数値がどんどん下がっていく。

看護婦さんにこれって???

と聞くと

うなづいた。
皆さん揃われていますか?と看護婦さん。

全員そろっているときに

父は今しかない!と思ってるのか

どうなのか・・・

 

私の誕生日、家族全員の前で

静かに亡くなりました。
静かで、家族全員を包み込むように。


母の事を最期、私のいないところで
長男に少し最後の力を振り絞って

お願いしたらしい。
すごい力だと思う。

自由きままな行動の3人兄弟。
10年近くも顔を合わせてなかった。
なのに父はまとめた!

 

そしてすごい美しい顔で

亡くなった顔は病気の面影はなくなり
貫禄すらあった。


大病してたのに素晴らしいと

最後だと本当に思った。


いつも家族の事ばっかり思って

子供の頃は

私にたくさんのお洒落をさせて

家のまわりは

田舎でしたが

華やかなお洋服を着て育った。

 

美味しいものを食べさせてくれて。

 

どこかに行ったらその土地のお土産

がたーーくさん家にあった。

兄弟3人ともけっこう広めの一人部屋

でわがまま言ってたような気がする。

もー一度子供の頃も戻れるなら

もっともっとパパにありがとうを

言いたい。

もーーー一度会えるなら

もっともっとパパの看病をしたい。



もーーー一度時間を戻せるなら

あの時、もっとたくさん父に

笑いかけて話しかけて

もっともっとが悔やまれてくる。

でも父はいなくなってしまったから。

最後の4日間の時間は

父が私にプレゼントしてくれたかのよう。
私の誕生日に父が亡くなったのは

偶然かもしれないけれど。


これから一生
命日×お誕生日は

毎年合同でお花を買って
ケーキを買って、

お寿司を食べて。

父と
楽しく時間が過ごせる。


これから一生続いてく。
こんな嬉しい事はない。

ありがとうでいっぱいです。

父が最後に教えてくれた事って

  手を繋いでいこ!

これは看病中、生まれてはじめて
父の手を握って思った事。
手を繋ぐっていいなって。

これから私はもうちょっと
父のあとを生きていくけど
手を繋ぐっていう
素敵な事をなんか大事にしていきたい。


あともうひとつ。

父は最後、ほんとに大事な家族と

大事な時間を過ごしながら

亡くなったけど

すごい感覚が鋭い人だった。


感覚だけで

動いてるわけじゃないけど

動物的感みたいなものが亡くなる前は

特に鋭くなるらしい。

この感、勘みたいのを使う力。

これは、データ化できないし

最後に自分に味方する力だと思う。

絶対忘れないですね。