高野山への道 -2ページ目

ある日、神社にて

病院の裏山に神社がある。
ある日、昼休みに登ってみた。

一回目は場所が解らず、今回は2度目のチャレンジである。
カンカン照りの住宅街の中、偉いこと急な坂をのぼっていく。
意外と遠い。

ついたのは、神社の裏手だった。
ここからでも入れるが、いやいや、ここは正面に周り、ちゃんと鳥居をくぐるのだ。
ぐるっと回り、短い階段を上ると、鳥居の真っ正面に神殿がある。

神様、なんとか今までこの下の病院で働くことができました。
また来月もよろしくお願いします。
と、5円玉をそっと入れる。

横浜にきてまだ数ヶ月。
仕事も中々覚えられず、慰めてくれるオンナもおらず、弱音を吐ける友人もおらず、たまに寂しくなり、神社に来たりする。
「大阪が恋しい」とか、
いやいや、弱音を吐く位なら、仕訳の一つでもExcelの関数でも覚えにゃいかん。
嘆くよりもせにゃいかんことは沢山あるのだ。何しろまだまだ仕事の手が遅いから・・。
さてお参りもすんだしかえろうか。

午後の部もがんばろう。
ちゃんと参拝したし、今日も大過なくすごせるだろうなと境内にそってぐるっと周り、小山を降りる。
あーでもないこーでもないとあれは後、これは先とか、まだ時間あるし、帰ってもしばらくぼけーっとできるなとか、考えつつ歩いていた。
ここを曲がればあれが見えて、こない・・・?

・・?

 

・・・・・?

ココはドコ?



写真と本文とは全く関係ありません。

見知らぬ住宅街である。

地名をみるがさっぱりわからん。
小山の上から降りてきたので、どこか違う麓にでたらしい。
自分はべつに方向音痴ではない(と思っていた)。
大阪なら、まず迷子になることはなく、見知らぬところはむしろわくわくしながら歩くが、ここは横浜、知らない町である。

くねくね道をとにかく歩いた。
参拝しにきただけなので、スマホも財布もない。
通行人を見つけたが、、、

「○○動物病院はどこですか?」

「あなた手ぶらで動物病院に何しにいきなさる?」

「いえいえ私はそこの事務員でして・・・」

とか、あほな会話をしてしまいそうで、これでは愛する病院の恥さらしでしかない。

「あのーーーー駅はどちらでございましょうか?」

「駅?ああ、ちょっとややこしいんだ。ここ降りて右にまがってしばらく歩いて左にまがって・・」

30分ちょい歩いて、やっとの思いでたどり着く。
途中、見知った公園にでて、ここからなら電車で一駅のはずだが、現金はお賽銭でつかってしまった。

そして、さらに迷ってしまうという醜態をさらす。


なんとかかえってこれた。
汗だくになって入り口をあけた。
既に看護師さんが受付に座っていた。

ということは、午後診はもうすぐ始まるのだ。
いつもの笑顔で迎えてくれ、深い詮索はされなかった。