20200402 | ねぇ、センセイ。

ねぇ、センセイ。

『幸せになる』って約束した。

それは
先生とは別の誰かを
選ぶってこと。

Dr×OLの奇妙な関係。

 

『りぬ、僕が最近おかしいな?って

思ったこと聞いてもらってもいい?』

 

 

いくつか、彼の疑問を聞いた。

前回話してから

意図的に距離を置いていたけど

何度か電話くれていた意味も

はっきりした。

 

あぁ、仕事のことだったか。

 

 

『りぬは大丈夫?

マスクは間に合ってるの?』

 

 

足りないなら、不織布で作ったマスク

送ってあげようか?って。

 

ありがとう。

私も気を付けるけどさ

君も気を付けてね。

 

 

『あー、2月はやっぱりギリギリ

だったと思わない!?』

 

そうだね。

 

あぁ、このまま

電話終わらせたいな。

お互い、心配しあって

あったかい空気のまま。。。

 

 

 

『りぬ』

 

『なに?』

 

『りぬは、何度もため息つきながら

最低、最低、言うけどさ』

 

『うん』

 

『自分ばっかり正しい、みたいな

言い方しないでよ』

 

 

 

別に、そんなつもりなんかないよ。

 

 

前回電話切った後も、今回も

 

"あぁ、私には関係ないのに

ムキになりすぎたな"

 

って、反省した。

 

 

 

『でも、謝らないよ』

 

『別に謝ってほしいわけじゃない』

 

『ただ、君はどこに行っても

生きていけるよ、ってしみじみ思っただけ』

 

『そんな言い方しないでよ』

 

『だって、そうだよ』

 

 

これ以上この話を続けたら

私は、自分でもガッカリするような言葉を

先生にぶつけてしまう。

 

 

 

『だから、やめよう。この話。

あたし、汚い言葉言っちゃう』

 

 

『りぬはさ、すべてにおいて

距離感が完璧なの。

で、僕の行動ひとつで色んなことを

わかってくれる』

 

 

 

そんなこと、言われても嬉しくない。

 

 

ぶっちぎるように、電話を切った。

私がこんなに頑なに

先生を拒否したのは、初めてだ。