暮らしのなかで見つけた疑問にお答えする「もの知り百科」がパート2として装いを新たにスタートしました。あなたが日常感じた「なぜ?」「どうして?」を解き明かします。

消防車のサイレン「ウー、カンカンカン」の「カンカン」は?


 金沢市消防出初め式をみてきました。最後に一斉放水が消防車のサイレンとともに行われました。このときの消防車のサイレンについての質問です。「ウー、カンカンカン」という音の「カンカンカン」ですが、これは「半鐘」の音のように聞こえるのですが、金沢だけなのでしょうか?全国では?

(石川県・小鉄)

「カンカンカン」に関しては「自治体」ごとに運用を規定


 消防車のサイレンは「出動」の事由によって使い分けられていて、火災の現場に向かう場合は「ウー」という「サイレン」の音に加えて「カンカンカン」という「警鐘」を鳴らして走行、つまり「ウー!カンカンカン!」…「火災以外」の災害現場に向かう場合は「ウーウーウー」という「サイレン音だけ」を鳴らして走行…というのが一般的のようです。

 使い分けの理由は、消防団の団員などが無線を聞かなくても「火災」出動か「火災以外」の出動かを判断できるようにする為であったり、市民に消防活動に対する理解を深めてもらう為であったりするようです。ちなみに「火災以外」というのは、交通事故現場または救急現場などで、警戒・救助・救急支援の為に消防隊員の応援が必要な場合を示します。

 ただし「総務省消防庁」消防・救急課の話によると、道路交通法では消防車や救急車が「緊急走行」を行う場合「サイレンを鳴らし、赤色の警光灯をつけなければならない」としか定められていないので、「カンカンカン」という「警鐘」を加えるなどの「使い分け」に関しては、「自治体」の「消防本部」ごとに運用が独自に規定されている…とのことです。つまり「全国共通ではない」ということですね。

 例えば、消火が終わって「帰る」時は、騒音防止および緊急出動との間違いをなくす為に「赤色の警光灯」をつけるだけの自治体がほとんどのようですが、愛知県瀬戸市のように「火が消えて消防署に戻るときは、市民の皆さんに火事が消えたことをお知らせし安心してもらうために、カンカンカン!という鐘の音だけを鳴らして走行します」というところもある次第です。

 ちなみに、愛知県田原市では「2007年6月15日」、また新潟県糸魚川市では「2008年1月1日」、消防車のサイレンの鳴らし方の「変更」をホームページで告知しているように、「カンカンカン」を加えた「使い分け」を運用する自治体が増えているようですよ。