ペタしてね

身長116センチのスイマー
(2008.12.5)



先日、テレビ朝日のドキュメンタリ宣言「身長116センチのスイマーめざせパラリンピック里親女性に捧げる感動の金メダル」という回は、久々に見入ってしまう内容でした。


番組では、北京パラリンピック競泳男子50メートル平泳ぎ(運動機能障害)金メダルの鈴木孝幸さんの四年間を取材し続けます。彼は、生まれながらに左手の指が三本で、右手の肘から先がなく、更に両足の大部分もないという障害を持って生まれます。


しかも、そのことにショックを受けた両親は育児放棄してしまい、その際預けられていた養護施設の園長先生に、里子として引き取られます。そして、血の繋がりのない「おばあちゃん」と呼ぶ里親のもとで、二十年間育てられます。


彼の小さい頃からの映像を見ていると、殆どないと思っていた両足ではねて、椅子に飛び乗ったり、運動会では、左手に靴を履いて器用に走っている姿があります。そんなひたむきな姿を見ていると、彼を障害者の割にはうまい、ぐらに見ていた自分が恥かしくなる思いがしてきます。つまり、彼だけを見ていれば、そこには何の不自由さもないということです。


動かしたくても動かない肉体があるのではなく、肉体を百パーセント生かせる能力が誰よりも素晴らしく思えるのです。運動不足の肉体を引き摺っているよりも、むしろ、よっぽど機敏で無駄がないとすら感じてしまうのです。


ちなみに五十メートル平泳ぎ(運動機能障害)四十八秒四九の世界記録でしたが、私にはむろん勝てません。