アメリカの病院の鉄則・EMTALAとAMA | スクラブの天使

スクラブの天使

スクラブとは?
アメリカのナースやドクターが着ているユニフォームの事!RNとは?レジスタード・ナース(看護師)の事です!


オバサン・ナースが、
アメリカの医療・教育・生活情報についてカリフォルニアから発信します!



Hospital Entrance Sign


楽しかった夏のバケーションの余韻も楽しめず
仕事で超ストレスフルな日々をおくっている私
今日もビックリ仰天する事が病棟でおきた!


アメリカにはEMTALAと呼ばれる法令が定められている

まずはEMTALAと書いてエムタラと読もう

The Emergency Medical Treatment and Active Labor Act

“救急医療措置と分娩に関する法令”と訳してみた


これは急病や陣痛の際
健康保険・メディケア(老人保険)メディケイド(低所得者保険)等の
保険に未加入でも
治療費の支払い能力がなくても
全ての来院患者さんは
病院スタッフの能力と設備範囲内で治療を受ける権利があると言う法律


日本でよくあるお話

7件の病院をたらい回しにされた挙句に患者死亡”

などと言う悲劇はアメリカではおこらない


しかし・・・この制度を乱用される方達が存在し

常識ある日本人の想像を遥かに超える事が

日常茶飯事で起きるのがアメリカの病院である(笑)


あるオバタリアンの患者Aさん・保険未加入

“尿の出が悪い・排尿痛がある・血尿がある”という主訴で来院した

採血・検尿・腹部CT・・・などの諸検査後に入院

鎮痛剤で疼痛緩和をし落ち着いていた


が・・・大人しくしていたのはそれまでだった
“婦人科の専門医が診察するまでは、今後の検査のため絶食して下さいね“
という一言でキレまくった(←食欲の制御能力ゼロ)
そして・・・何と同室の患者さんの食事に手を出し
BFらしき付き添いと全く罪悪感なく食していた!



今度は面会時間が終わりセキュリティーの見回りの最中

BFWaiting Roomにこっそりと隠れ

夜中に堂々と患者さんのベットに潜り込んでいた

あれこれお楽しみ中ではあったが一言注意を促すと

ここで予想通りに逆切れされた!



この手の患者さんから出てくる言葉はお決まり(笑)

F〇〇〇F〇〇〇・F〇〇〇・・・・・・・・・

“こんな刑務所みたいな所にいるのはごめんだ”

“ここには二度と来るもんか”とのたまう



“ハイハイ帰って頂いて結構です”

“どうぞお好きになさって下さい”と心の中で呟く私(笑)


このように患者さんが担当医の助言を聞かず自主退院する場合

AMAAgainst Medical Advice)と言う用紙にサインをして頂きます。

以下のような内容


担当医から検査・治療の必要性を説明され理解しましたが

自分の意思で病院から去ります。

今後、命に関わるリスク等は自己責任です。

患者さんの署名・日付



勿論、サインを拒否されるケースもありますが、ノープロブレム!

私が患者さんの言動全てをPCに打ち込んでおきますから(笑)


だって手厚い看護を提供してもこのオバタリアンのように

“食事も出さないこんな病院、訴えてやる~”と

捨て台詞を吐いてお帰りになられる事がありますから(笑)

裁判が起きた時のために万全な体制を整えておくのが

アメリカンナースの役目である!

アメリカの病院の鉄則は“来る者拒まず去る者追わず”(笑)