リリーッス!サオリリスです。
※性格悪い方の私がブログ挟んだけど、また鳥取県横断生活レポートに戻ります。

ここで「のまど間」について少し話したいなーと思います。

のまど間(http://nomadoma-daisen.com/)は、古民家(何故か城付き!)を再利用したシェアハウス。家賃など詳しくはサイトを見て欲しい。

ここを運営する二人は、『地域おこし協力隊』のメンバー。二人とも、これまで歩んできた道や専門分野は違うけど、絶妙なコンビ芸とまわりの人とのチームワークでのまど間を回している。
そんな二人の物語もおもしろいけど、あくまでも、「のまど間で暮らす人や出入りする人を主役に」と考える二人を尊重し、私からは軽い説明程度にとどめておこうと思う。

駅についた私を迎えに来てくれた小谷さんは、もともとシェアハウスで暮らした経験を持つビジネスマン。やぶたさんは安定した公務員だった。そんな二人が思うことあって『地域おこし協力隊』となり、同じ時期に大山町にやって来た。

『地域おこし協力隊』は、総務省主体の政策。IターンやUターンの若者が、赴任した地域を創生させるプロジェクト。全国に1511人もの隊員(と呼ぶみたい)がいて、7県437の市町村が実施している。→総務省・地域おこし協力隊のページ

大山町には二人以外にも隊員が9人(だったかな?)いて、それぞれに農業や観光について学び、考えている。米澤さんの梨農園で働くサンちゃんとミズノさんもそうだ。

実はこの『地域おこし協力隊』という制度、なかなかうまくいっていないところも多いと聞く。というか、大山町ほど皆が活動できているところの方が少ないらしい。

それは、隊員本人の性格とかやる気とか行動力とかの問題だけではなくて、その地域の人の協力や受け入れ態勢の問題、市町村役場の姿勢なんかの問題でもあるのだ。

最近、田舎で暮らそう!とか田舎で暮らしたい!だとか、空き家再生プロジェクトだとか、田舎でのライフスタイルやワーキングスタイルを打ち出すメディアや提唱者がゴロゴロといるわけだけど、

いざ田舎に引っ越してみると、その地域の人とうまくご近所付き合いが出来ないで失敗してしまうケースもあるらしい。(中には、ガソリンをまかれたなんてことも・・・もはや事件!)

田舎ならではの村根性というか、郷土愛というか、縄張り意識があったりする。その地域を守るにはいいことでもあるかもしれないけど、外から来た者にとってはかなりキツい。まして隊員は若者。そんな所で新しいアイデアが認められるはずもない。なにかを変えようなんて無理ゲーかよ!と泣きたくなるし、辞めたくなる。んで実際、辞める人も少なくない。そりゃそうだ。

なんて話が広まって、「俺やだよ地域おこし協力隊なんてなりたくねーよ」という人が増えるのも問題かもしれないけど、いいところばかり見るのも問題。これが現実だー!💀
それに、新しい政策なんだから問題があるのは当たり前でもあるし、それ相当の覚悟や責任をもたないと『地域おこし』なんて成し得ないということでもあるし、その分周りは見守ってあげたいし、出来ることは協力したいところである。

で、大山町の隊員たちはどうかというと、農家の方のところで真面目に働き世話になり、近所の方におすそわけをもらい、みんなで宴会となればイノシシやシカの肉に魚をいただき、語らったり一緒に歌ったり笑ったり映像を観たり、タブレットやSNSの使い方を教えてあげてコミュニケーションとったり・・・うまく付き合ってるというより、もはや理想的!🌟

はじめは多少否定的というか不安げな人もいたらしい(そんな風には見えないけど・・・)。そういう人も今は「若いモンがおって楽しい。元気をもらえる」と喜んでくれている。よかった。

『地域おこし協力隊』を実施してまだ2年目なのでまだ無敵というわけでもないとは思うんだけど、このままいくと成功例のロールモデルになれるのではないかと、専門家でもなんでもない私は感じている(何様だー!)。

『のまど間』の住人の4人は『地域おこし協力隊』隊員(もちろんその他の人も大歓迎!)で、皆、それぞれの場所で働きながら共同生活をしている(※隊員が共同生活をしないといけない決まりはない)。もしかしたらそれがいい影響を与えているかもしれない。

『のまど間』以外で暮らしている隊員たちも含め、定期的に皆で集まったり話をしたりしやすい。基地のようなサロンのような役割を、『のまど間』が担うことで、話を聞いてもらえたり問題を皆で解決したり出来るから、孤立しづらいし一人で抱えなくていい。楽しいことは共有出来るし、友だちとしての時間を過ごすことが出来る。

『のまど間』にはシェアオフィスという機能もある。その建物が城・・・でビックリするんだけど、中はもともとの建物の名残もありつつ綺麗に整備されていて、PCで作業するもよし、上の階でミーティングするもよしの、コワーキングスペースになっている。

階段を下ると車庫につながっていて、コンクリート打ちっぱなしで少しボルダリングできてハンモックで寝転べてイスに座って話ができて壁に映像写せてなんだこれスゲーオシャレ本当に大山町?という空間になっている。

住居スペース、私は一階の和室の奥の間をお借りしたんだけど、ふすまを開ければ数十人寝れるくらい広い。その隅っこに布団を敷いて寝てしまう私の性格・・・悲しい。他にもたくさん部屋があって、シェアハウスといえど、プライバシーはある程度守られているみたい。
もし住居を考えるなら、バスタオルとパンツと歯ブラシと石鹸・シャンプー・リンスだけ持っていればあとは大丈夫。キッチンには何故か贅沢にも業務用のガス台まであるくらい何でも揃ってる。

そうそう。キッチンの中のタッパーに、ヨーグルトが入ってるんだけど、それは小谷さんとやぶたさんの手作りヨーグルト。菌を変えたりして、理想のヨーグルトになるよう研究中。大山町には牧場もあって美味しい牛乳が豊富に採れるので、ヨーグルトも美味しいものが出来る。
私も2種類のヨーグルトをいただいた。美味しかった。味の違いはわからなかったけど、舌触りとか粘りとかは全然違ってた。協力してヨーグルト作りに励む二人の背中にそっとエール。「(ヨーグルトの完成、楽しみにしてます!)」

それともう一つ、ヨーグルトの他にも二人がやろうとしていることがある。【エブリデイ・スモール・プロジェクト】のまど間に短期滞在しながら、何かチャレンジする人を応援するというもの。

その具体的なことはComing Soonなので、勝手に私が想像してみるけど、私みたいな人も当てはまるんじゃないかと思う。私の場合は、超短期滞在で、その間地域の人のところで働くというものだけど、もう少しシッカリと期間を設けて働けたら、もっと出来ることあったと思うし、地域の農家さんを助けることが出来たと思う。

農家さんの仕事は時期によって変化するので、その度に人手が必要だったり必要なかったりする。なので、必要な時期だけ働いてくれる人がいるととてもいい。学生や短期のバイトを雇うことも出来るかもしれないけど、なかなか人が集まりにくいし、雇われる方から見ても、大変な割に正直給料が割にあわない(ことのほうが多い用に思う)。

私も1日ずつで申し訳ない程度にだけど働いてみて、農家さんの手伝いには給料とは別のところでかなりの価値を感じたので、かなりオススメだけど、「タウンワーク」に載ってないし載せるメディアもないし、なかなか人は集めにくい。

そのハブになってくれるような人や場所やメディアがあるといいのにと思う。『のまど間』の二人が何を考えて【エブリデイ・スモール・プロジェクト】を立ち上げようとしているのかわからないけど、私が二人に米澤さんと小林さんを紹介してもらったように、
そういうハブとしての『のまど間』があってくれるといい。

人手不足問題を抱える農家さんを助けられるし、私や、フラッと田舎で暮らしてみたい人、のまど間に滞在する人の心の問題や生活の問題も解決できるし、互いに新しい価値観とか情報とか色々交換できてなんかわからんけど想像以上の化学反応とか起こったりして一石三鳥くらいになりそうだ。

もちろん、チャレンジというのはそれだけではないと思う。それぞれの何かがあるはず。私なんかじゃ思いつかないようなそれぞれの何かが、『のまど間』を介して広がっていくと、本当メッチャすごい!🌟

全部私のひとりよがりの『のまど間』論だけど・・・笑