夏の幻 | こうめチャン*天空✈こてつクン*

 

Omoinotake

 

 

 

 

自販機の明かりに 照らされた横顔 

もう帰らなきゃって 背伸びした君の 

足元 固く結んだコンバース 

どうしてか やけに大人っぽく見えた 

 

いつもの一人の 気怠い帰り道が 

見たこともないくらい 輝いて映った 

 

並んで歩いた 湖のほとり 

夏の風が撫でた 制汗剤の匂い 

想いを伝えた僕に 頷いた君は 

今にも消えてしまいそうな 蜃気楼みたいで 

 

電話越しの 次はいつ会える 

薄暗いこの部屋さえも 眩しくて眠れない 

 

あぁ 君が今どうか 同じ想いでいて 

壊れそうな高鳴りに 蒸し暑い夜が更ける 

あぁ 消えないで 空に溶けていく花火のように 

この胸を焦がす痛みは 夏の幻じゃないと言って 

 

汗ばんだ 僕の手のひらが君に 

気づかれてしまうことが怖くて 

握れない左手 宙を舞う願い 

微熱のアスファルト 溶けた甘い匂い 

 

画面に映る たった4文字が 

どんな小説よりも 心を揺らすんだ 

 

あぁ 君が今どうか 同じ想いでいて 

壊れそうな高鳴りに 蒸し暑い夜が更ける 

あぁ 消えないで 空に溶けていく花火のように 

この胸を焦がす痛みは 夏の幻じゃないと言って 

 

消えない余熱に 火照る身体 

君がくれた感情は 喉が乾く 

窓の外から吹き抜けた 淡い夜の匂い 

 

この先僕はきっと この季節が巡る度に 

思い出す この夜と焼き付いた恋の想い 

あぁ 消えないで 空に溶けていく花火のように 

この胸を焦がす痛みは 夏の幻じゃないと言って