RL360を叩いてITAを勧める紹介者やIFAには近寄らない方がよいと思う | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

私は基本的に「悪徳業者論」というのが好きではない。
 
金融業界で保険や投資商品を売らなければならない人たちの行為は、それを自分の為に売らなければならないことを考えると、多かれ少なかれ悪徳だし、お互いにお互いを悪徳呼ばわりする論争は極めて無益だ。
 
武器商人は、戦争の道具を自分の商売として売るのが仕事で、その結果戦争が激化し、多くの市民が自分の売った武器のために死ぬことになる。
その行為が正義に反するなり悪徳だとすれば、武器商人同士がお互いを悪徳呼ばわりする議論はむなしい。
 
金融商品という合法的な武器を販売する現代の金融武器商人たちも、その結果がどうなろうと求められる武器を顧客に提供するのが仕事だ。
 
金融業界は根本的に悪に満たされており、その中で自分の正義や善良さを主張するためには、自分以外を悪徳と呼ばざるを得ない気持ちはわからなくもない。
 
世の中には、RL360(ロイヤルロンドン)のQUANTUM(クアンタム)やそれを勧める人間を悪く言い、ITA(インベスターズトラスト)のEVOLUTION(エボリューション)を勧める人間が居るようだが、RL360を勧める人は悪徳であるという論理には賛同しかねるし、その論理を盾にRL360(ロイヤルロンドン)ではなく、ITA(インベスターズトラスト)を契約させるのであれば、その方がどちらかと言えば悪徳な行為だと思える。
 
私はRL360の人間ではないので、彼らのブランドが彼らの競合するITAのようなプロバイダーを紹介する人間によって毀損されることについてとやかく言う立場ではないが、このような状況はFRIENDS PROVIDENT(フレンズプロビデント)の末期にも目にしたものと同じなので、市場の健全性という観点からひと言わせて頂きたい。
 
そもそもオフショア積立プランを提供しているプロバイダーの選択肢が、現在はRL360(ロイヤルロンドン)とITA(インベスターズトラスト)しかないという話しは何度も言っている通りだ。
 
その中で、RL360が良いとかITAが良いとかいう議論は、そもそもそれほど差がある商品ではないので無意味だし、過去にRL360を勧めてひとがどのようなひどい説明をしていたとしても、そもそも商品の説明をIFAから直接聞いていないのであればどうしようもない。
たとえそれがITAだとしても、ちゃんと説明されて売られているかどうかはわからない。
商品の説明は、金融商品に関しては、それについて責任のある立場の人から直接聞かなければ、その内容にどれだけ嘘があったとしても後で問題にはできない。
 
いちばん長い期間売られていたFPI(フレンズプロビデント)は、もっとも市場で不満の多いプロバイダーと言えるだろう。
かつては「2ちゃんねる」などで好き放題書かれ、ボコボコにされていたフレンズプロビデントについて、今は悪いことも良いことも誰も書かない。
なぜなら、今は誰もフレンズプロビデントを売っていないからだ。
 
ITA以外で、RL360をコケにして紹介される商品としてあり得るのは、香港籍のサンライフやFTLife(旧アジアス)などだが、これらを含め全てにおいて言えるのは、ITAなど“RL360以外”をコケにして、RL360を売るという逆のパターンはほぼないということだ。
 
それだけ全体的にはRL360の市場でのプレゼンスが高いということなのかもしれない。
 
結局2012年の8月にFPI(フレンズプロビデント)が日本市場から撤退したあと、フレンズに代わる圧倒的なプレゼンスを持つオフショアのプロバイダーは存在して居らず、敢えていうならマン島籍唯一の生き残りであるRL360が過去4年間の中でもっとも着実に売り上げを伸ばした会社だったかもしれない。
 
2015年頃からITA(インベスターズトラスト)は今までのMLM式販売方針を改め、香港IFAを核に、日本市場でFPや保険代理店を中心にした紹介者ネットワークを積極的に構築したが、2016年には闇雲に開拓しすぎた紹介ルートに問題も生じ、新規の紹介者登録窓口を急速に狭め、1年以上紹介のない幽霊紹介者や、登録さえされていない幽霊ネットワーク組織の撲滅活動を行ったようだ。
 
2016年には、オフショアファンド全般に運用成績の悪い中、15年後に140%の保証が付いたITAのS&P500インデックス15年積立という商品が比較的日本人にとって安心感のある商品として認知され、そこそこのプレゼンスを確立したものの、S&P500の契約は月々200ドルからというハードルの低さもあり、結果として大口の契約はRL360に流れる傾向にあったかもしれない。
 
また、最近では、BVI(ブリティッシュ・バージンアイランド)籍のプレミアトラストなどというあたらしいプロバイダーの商品も流通し始めているが、シンガポールのアミチが売っているコーンヒルや、香港アテナベストのメティスと同様、流通とサービスのルートが限定されたホワイトレーベル商品である。
 
ちなみに、上記のようなホワイトレーベル商品をもつアミチ、アテナベストというIFAは、私が理解している限りではそれぞれRL360(ロイヤルロンドン)とITA(インベスターズトラスト)の双方を扱っているが、当然のことながら優先的に販売しなければならないのは自社のホワイトレーベル商品ということになる。
 
ITAしか扱っていない業者とRL360しか扱っていない業者を比較すると、歴史的経緯上圧倒的にITAしか扱っていない業者が多い。
そのような業者やIFAにとって、ITAをプロモートする上で現在のRL360のプレゼンスは、ITAの商品を売る上で邪魔だというのは容易に理解できる。
 
さらに、上記のようなRL360もITAも扱っていながら、独自の商品を持っているIFAの場合でも、自社の商品がいちばん手数料が安いというような言い方をしてホワイトレーベル商品を優先的に紹介する事になるが、それも仕方がないことだ。
 
私がRL360やITAの人間であれば、間違いなくそのような会社との契約は切るだろうが、現実はなかなかそのようにはならない。
 
RL360やITAといったプロバイダー側も、なるべく敵を作らない戦略が必要であり、どこかを切るとそのルートを敵に回すことになるからだ。
 
このような微妙なパワーバランスの中で市場は成り立っていると思われるが、結論としてRL360(ロイヤルロンドン)もITA(インベスターズトラスト)も、どちらも日本人にとって残された貴重なサバイバルツールで有ることには変わりない。
 
どちらの商品であれ、その存在を知っているひとはそのことを正しいルートから詳しく学び、自分の将来の礎としてライフプランに組み込み、始めたならば満期まで意地でも継続することが大切だと言える。