JD Group、香港FTLifeをNWS Holdingsに売却!今後どうなるのか? | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

Mr.Gの気まぐれ投資コラム

50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

 

香港の保険会社で昨年7月以降、香港渡航によって個人名義では購入できないが、香港トラスト名義(ポリシートラスト)によって渡航しなくても契約ができるようになったのは香港SUN LIFE(サンライフ)とFTLifeの2社である。

 

最近では香港Mass Mutual(マスミューチュアル)がアリババのジャック・マーさんが役員を務める企業に買収され、その後どのような会社名になるかはまだ分かっていないが、香港籍の保険商品を日本居住者が渡航によって購入できるようになるとの噂だ。

 

この事態は、昨年サンライフとFTLifeが香港保険局(HKIA)との相談により、日本居住者の渡航による香港現地での契約を停止した自主規制に反するアウトローな行為であるとの批判もあり、どうなるかは分からないが、名前の変わった新しい香港マスミューチュアルの保険商品をしばらくの間は香港に渡航することによって以前のように契約ができる可能性がある。

 

ちなみにFTLifeも、中国の企業(JD Group)から香港の企業(NWS Holdings Ltd)に売却されたようで、名前がまた変わるらしいが、どのような新しい名前になるかはまだ不明である。

 

現FTLifeは、もともとageas(アジアス)というベルギー最大の保険会社であり、その香港支店が中国の企業(JD Group)に売却されてFTLifeと改名された。それ以前はFortis(フォルティス)という会社だったが、2010年に金融危機を乗り越えられずアジアスグループに併合された。

 

実は知らなかったが、2007年まではPacific Century Insuranseで、その前は1994年にNZI LifeがTGI(Top Groly Insurance)に売却され、同年にPacific Century Groupが株主となり、1999年から2007年にFortisに売却されるまではPacific Century Insuranceという名前だったようだ。

 

     ~1994年 NZI Life

1994年~1999年 TGI(Top Groly Insurance)

1999年~2007年 Pacific Century Insurance

2007年~2010年 Fortis

2010年~2016年 ageas

2016年~2019年 FTLife (JD Group 中国)

2019年~     ?(NWS Holdings 香港)

 

まとめてみると、上記のように過去25年の間に6回も売却によって名前が変わっている会社なのだ。

 

まあ、これは保険会社としてはよくあることではあるし、今回もJD Groupは売却によって随分儲けたようだし、この歴史に翻弄された社歴や変遷が会社や商品の信用に関わるというわけではない。

 

(ちなみにJD GroupはageasからHKD10.7Bilで購入したFTLifeを、今回倍のHKD21.5BilでNWSに売却している。)

 

ただ、ageas、FTLife時代に名前が変わったせいで相当な宣伝費を香港で使ってきたのを見てきた私としては、また名前が変わって宣伝費を無駄にするのかと思うとすこし残念な気がしないでもない。

 

さて、このようなFTLifeの背景を少し理解した上で、今となってはサンライフ香港と並び貴重な日本居住者が購入可能な香港の保険商品のひとつであるFTLifeや提供される商品は、サンライフと比べてどうなのか?ということを少し検証してみたい。

 

FTLifeの商品でいまいちばん売れているのは、おそらく「リージェントプレミア2」ではないかと思う。

 

正式には「Regent Insurance Plan 2 (Premier Version)」という名称になる。

 

サンライフ香港には、このFTLifeの「リージェントプレミア2」に該当するような比較できる商品が存在しない。

 

サンライフ香港の商品で最も売れているのは、スタンダードなホールライフ生命保険の「ライフブリリアンス」であり、それに次いで養老年金型商品の「サンダイヤモンドインカムプラン」だろう。

 

一方、FTLifeにはサンライフ香港のようなホールライフやユニバーサル型の純粋な生命保険という商品で日本居住者に勧められるものがなく、ageas(アジアス)時代からあった、Oscar(オスカー)という積立商品や、このリージェントプレミア2が勧められることが多いようだ。

 

Oscar(オスカー)については、サンライフでもSun Architect(サンアーキテクト)という同等の商品があるものの、このような香港籍のILAS商品(現在は5%の保険要素をもつ105商品)はマン島籍のRL360など本家商品の選択肢があるうちはあまり魅力がないという話しは以前にしたと思う。

 

リージェントプレミア2は昨年2018年の3月に、リージェントプレミアからモデルチェンジしたもので、他社にない特徴として、128歳までの死亡保障と、被保険者の名義を無限に世代を超えて変更できるという点は特筆すべきものである。

 

ただ、このリージェントプレミア2に関しては、見積もりの見方を誤ると「元本の保全が可能でありかつ、6%以上の運用が保証されている相当安全かつ運用のよい投資商品」であるかのような誤解を招きかねないので注意が必要だ。

 

問題は、すべて見積書(イラストレーション)の見方であり、可能性としては販売者が見積書に含まれる「ターミナルボーナス」というものの実際の特性をよく説明していない可能性があるというところだ。

 

このターミナルボーナスの謎についてはまた別途詳細を解説したいと思うが、簡単に言えば、ターミナルボーナスの見積もりに表示された数字は、「毎年確定し累積するものでは無い」ということだ。