我々はインフレをもっと深刻に捉えるべきだと思う | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

#エルメス #バーキン #価格高騰

これはインフレと言えばインフレだが、供給不足と転売屋の暗躍によって値段がつり上がるエルメスのバーキン。当然円安による仕入れ価格の上昇も理由のひとつだろうが、外人からすれば日本で買った方がまだ安いようだ。

 

未だに日銀はインフレターゲット(2%程度)という謎の数字を基準に景気回復の伴う健全なインフレを目指すとかの寝言で金融緩和政策を継続しているが、海外で起きてるインフレは想像を絶するほど進んでおり、賃金が十分に上がらなければ確実に暴動が起こるレベルに達している。

 

特に、アメリカのインフレはただでさえ大きい貧富の差をさらに拡大させており、いつ何が起こってもおかしくないくらい危険な状態になっているのが現実だ。

 

なので、狂犬トランプが言っている暴言とも聞こえる物言いも受け入れられるのだ。

 

米ドルの預金金利が5%あったとしても、インフレ率がそれ以上であれば、それが続けばドル建ての預金は目減りし続ける。

 

FRBが金利の引き上げを停止したものの、引き下げまでは踏み切れない理由は、金利の引き上げによって現実には思ったほどインフレがコントロール出来なかったという理由もあるだろう。

 

しかしアメリカでは賃金が上昇しており平均年収が7万ドル(日本円で1,000万円近い)とか、物価上昇に見合った賃金の上昇も起こっている為、なんとか社会が崩壊せずに維持できている。

 

日本もアメリカも、貿易に依存する海の国として置かれている状況は同じであり、アメリカと比べればまだインフレはマシなものの、日本の物価も上がっていることは間違いなく、これからもまだ上昇余地はたんまりある。

 

しかし、驚くべき事に、1ドル=150円くらいの円安が普通になり、現在のレベルの物価高で、大した賃金の上昇がなくとも、日本国民はまだ耐えている。

 

為替だけを見ても、いったいどこまでの円安まで、日本国民は耐えることができるのかは非常に興味深い。

 

40年前のバブル期には普通にそれくらいだった訳だし1ドル=200円でもなんとかなるのかもしれない。

 

しかし、今とあの時で同じなのは過去最高値に近づいている日経平均株価くらいで、経済や社会の状況全く異なっている。

 

そして、ステルスインフレは水面下ではかなり進行しているにも関わらず賃金の上昇はほぼ無く、バブル期と同じバブル株価なのに生活水準は当時とは比べものにならにほど低くなっている気がする。

 

日本国民の我慢強さというか、インフレ耐性はいったいどこまで持つのだろうか?

 

今日本で進んでいる(まだまだこれから進むであろう)インフレは、経済成長を伴わない悪性のインフレであり、経済成長に関しては、円安が進んで日経平均株価がバブル期並の記録的高値になろうとも、バブル期のような国内での活発な消費に支えられているものではないので、経済の回復を期待するのはまるで余命宣告をされた末期ガン患者に奇跡的な回復を期待して延命措置を施し続けているのと変わらない気がする。

 

その政府によるいくつかある経済延命措置のひとつがNISAだとしても、それをみんなでやることが最終的には自分の為になると思うのだろうか?

 

少なくとも、それが若者の未来を支えて救ってくれるものになり得ないことは確実な気がする。

 

経済がいつかは崩壊するにしても、老人は自分が生きている間、政治家は自分の任期の間さえ凌げればいいという考えだから、もし崩壊することが決まっているにしても、それをできる限り先延ばしするのが唯一の選択肢だ。

 

GDPランキングでは、アメリカ、中国に次いで3位だった日本はドイツに抜かれて4位になり、数年後にはインドに抜かれて5位になることがほぼ決まっている。

 

庶民にとって、GDPとか経済成長とか正直どうでもよい。

 

経済成長がなくとも、物価が上がらず、結果として賃金も上がらず、金利も上がらない状態で過去30年と劇的には変わらない生活が自分の生きている間は取りあえず続けば良いだけなのだ。

 

問題は延命可能期間が永遠ではなく、いつかは終わるということと、それがいつなのかを誰も知らないことだ。