不適切だらけの80年代バブル期を振り返って | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

クドカンと阿部サダヲのTBSドラマ「不適切もほどがある!」はなかなか痛快だ。

 

バブル期の常識は、現在ではほぼほぼコンプラ的に「不適切」なものばかりだが、実は悪いものばかりでもなかったかもしれないというオマージュと、今の時代ははたしてこれでいいのかという痛烈な皮肉を込めたコメディで笑える。

 

確かに、頑張って欲しい部下に「頑張れ!」と励ましてパワハラになるような会社で誰が真面目に部下を育てたり可愛がったりするのかとは思う・・・(第1話「頑張れって言っちゃダメですか?」)

「XXXしちゃダメですか?」という題名の付け方は、亡くなられた山田太一さんの80年代ドラマ「ふぞろいの林檎たち」へのオマージュだ。

 

さて、このドラマでも取り上げられている不適切な事ばかりの昭和のバブル期を振り返る上で、平成の終わり2019年の3月にZUU ONLINEで書かれていた記事が興味深い。

 

以下のauじぶん銀行のHPで公開されているのを見つけたのだが、それから4年後の今起ころうとしている最悪の事態の原因を紐解くカギがあるように思われた。

平成を振り返る 30年間のいろいろマネーデータ 株価、為替、初任給… | コラム | auじぶん銀行 (jibunbank.co.jp)

平成の30年間に延命のために行われてきた悪行(間違った政策)のツケをいま我々が払わされつつあるということがよく分かる。

 

平成の終わりには、コロナ渦やウクライナ紛争、パレスチナ紛争、台湾有事の可能性など世界を揺るがす事態に見舞われるとは誰も想像すらしていなかったが、令和になってからの4年間が我々にもたらした変化は、これら見える危機にを経験し、さらに見えない危機も含めて大きなものがある。

 

そして、日経平均株価は34年前のバブル期の史上最高値に迫っている。

ドル円の為替も1ドル=150円というバブル期並みの円安が進行している。

 

株価も不動産価格も、数字的にはバブルであることは間違いないが、政府はそれを引き締めるどころか煽っているかのようで、その気持ちの悪さは半端ない。

 

バブル期の投資経験者なら、今持っている株も不動産もまちがいなく全売りだろう。

 

投資のトの字も知らないような連中が極めて投機的な株や投資信託の取引に没頭する今は、1%に満たない歴戦の投資経験者なら手を引くタイミングと言えよう。

 

それほど超絶にヤバい感じに満ちあふれた日本だが、まるで呪術によって領域展開された帳(とばり)のなかで、超ウルトラ魔術的な錬金術が繰り広げられている。

 

インターネットもパソコンも携帯もないバブル期の日本経済は明らかに成長していて勢いがあったが、今の日本にあの時の光や輝きは全く感じられない。

 

その中で日経平均株価だけがバブル期と同じくらいの記録的高値を付けるということは、考えられないくらいの異常事態が起こっていると思ったほうがいいだろう。

 

平成を振り返る

30年のいろいろマネーデータ

株価、為替(ドル円)、金利、初任給、貯蓄

 

【株価:バブル期からの急降下】

平成が始まった1989年、日本はバブル経済の真っ只中にいました。その年の12月29日、日経平均株価は現在も破られていない最高値3万8915円87銭を記録しました。

その後バブルは崩壊し、景気の低迷期に突入。1992(平成4)年3月に2万円を割りました。2000(平成12)年頃のITバブルでネット関連企業の株価は上がったものの、2003(平成15)年には7607円88銭まで下落。その後1万円台を回復するも、2008(平成20)年にはリーマンショック後の景気悪化で再び下がり、10月28日には一時バブル崩壊後の最安値となる6994円90銭を記録しました。

第二次安倍政権が始まりアベノミクスなどによって経済は回復し、日経平均は2015(平成27)年に再び2万円を超えました。2018(平成30)年10月2日にはバブル崩壊後の最高値となる 2万4448円07銭を記録しています。2019(平成31)年の取引初日(1月4日)の終値は1万9561円96銭でした。

 

>以前の最高値は2018年の10月だったんだな。それでも今より1万円も安い。

 

【為替:ドル円レート】

平成時代のドル円の推移は、主要国がドル高の是正で合意した1985(昭和60)年9月の「プラザ合意」抜きには語れません。240円台だったプラザ合意直前の相場は、平成に入った1989年には東京市場で120円台から140円台で取引されるまでに円高が進み、1995(平成7)年4月には一時79円75銭と80円割れを記録しました。

2000年代に入ってからは100円台から120円台で推移しましたが、2011(平成23)年には東日本大震災の発生による円需要の高まりなどによって再び1ドル80円を割り、その年の10月末には現在まで破られていない円の最高値75円32銭を記録しました。

その後は円安がなだらかに進み、2018(平成30)年夏以降は107円台から114円台で取引されています。

 

>4年前には誰もほぼ1ミリもこのまま円安に向かい1ドル=150円超えになるとは思っていなかった。

>平成の30年間に資産をドル転して海外に分散していたひとは勝者だが、それができたのは僅かばかりの富裕層のみだ。

 

【政策金利:平成元年は2.5%、そしてマイナス金利時代へ】

 

「マイナス金利政策」という言葉をよく耳にします。現在も日本銀行が続ける金融緩和策で、民間銀行が日銀に預ける資金の一部にマイナス金利を適用するというものです。金融機関同士が短期の資金を貸し借りするときの利率(無担保コールレート翌日物)もマイナスです。この金利は現在の「政策金利」に当たり、2016(平成28)年2月中旬からマイナスとなり、2019(平成30)年2月21日現在はマイナス0.058%です。

しかし時代を遡ってみると、平成が始まった1989(平成元)年1月当時、日本の政策金利と言えば「公定歩合」(当時2.5%)でした。公定歩合は日銀が民間銀行へ貸し付けを行うときの金利で、民間銀行の金利の自由化が実現する1994(平成6)年10月までは、政策金利は公定歩合を指していました。

このように、政策金利の対象が変わり、さらには政策金利がマイナスに突入したのが平成であったと言えるでしょう。

 

>そう言えばいつのまにか「公定歩合」という呼び方は消えていたな。

>政策金利はゼロになり、8年前2016年からマイナス金利となったが、それでも消費は伸びずデフレが続いた。

>結局金利をマイナスにして市中に資金を放出させる戦略はインフレターゲット達成という観点では失敗に終わり、令和になって突然インフレが襲ってきたが、金利を下げたからインフレになったのではない。

なので、インフレを抑制するために金利を上げてもインフレは収まらないかもしれないし、円高にもならないかもしれない。

>いずれにしても、この先日本円が外貨の金利に対抗できるほどの金利になることは考えにくい。

 

【大卒初任給】

平成元年の1989年、大卒の初任給は全企業規模平均で男性が16万900円、女性が15万5600円でした(厚生労働省、産業別新規学卒者の初任給の推移<平成元年~平成30年>より)。

当時バブル期を迎えていた日本では、その後数年間、初任給の金額が前年比で男女ともに5%前後増える時代が続きました。

しかし、バブル崩壊とともに初任給の伸びは減退し、1995(平成7)年には大卒の女性、1996(平成8)年には大卒の男性の初任給がついに前年比でマイナスになりました。

バブル崩壊後の1990年前半から2000年前半は、景気が低迷した「失われた10年」とも呼ばれ、初任給が上がることへの期待感は非常に乏しい時期でした。

その後、大卒の初任給は景気の回復とともに2008(平成20)年には男性で20万円台となり、2018(平成30)年は過去最高の21万100円となっています。女性は2016(平成28)年に20万円台に到達しています。

>まあ、バブル期よりも大卒の初任給は上がっているが、将来のベースアップへの期待度が異なるのと、バブル期は寝ずに24時間仕事をするのが当たり前で残業規制もなかったので実質的な給与は当時の方が良かったかもしれない。現在ではコンプラ的に不可能だが。

 

【貯蓄】

政府の貯蓄動向調査と家計調査報告(2018年5月公表)によれば、2人以上の世帯における「貯蓄現在高」(平均値)は1989(平成元)年は1311万円で、その後は増減を繰り返しながらもなだらかに伸び、2017年は当時より501万円以上多い1812万円です。

一方で年収は、1989年は641万円だったのに対して、2017(平成29)年は伸びるどころか約24万円も少ない617万円となっています。ピーク時の761万円(1995年、平成7年)から比べると、実に149万円も少なくなっています。

ちなみに、貯蓄額を年収で割って「貯蓄年収比」を算出すると、1989年の貯蓄年収比は204.4%で、年収の約2倍が貯蓄現在高となります。

2017(平成29)年は293.7%で、年収の約3倍の金額を貯蓄しているということになります。年収が増えないどころか減っている中で、貯蓄は増やしていることが分かります。

 

>年収が増えないのに貯蓄が増えているのは将来への不安が高まっているからだろう。

それを、新NISAなどでリスクがある投資に向けさせる政策は、それしかないにしても国民にとっては終戦末期の特攻と変わりない。

 

結局のところ、バブル以降平成に入ってからの政府の金融政策が、実質的な経済成長を促すものではなく、結果としてなのか意図的なのか分からないが、延命策に終わってしまったことに根本的な問題があるように感じられる。

 

景気回復を阻害した要因として、1989年に始まった消費税の導入を挙げるひともいるが、税とか金利とかよりも、SDG's的な流れの中で表面上は社会に存在する不平等や差別のようなものをなくそうとして諸々の規制がガチガチになりすぎて、ビジネスの自由度や面白さが失われて社会主義的な世の中になってしまったことに問題があったようなきがしなくもない。

 

金融緩和ではなく、そういったコンプラ規制を緩和していればもう少し違った世の中になっていたかもしれないと、クドカンの「不適切にもほどがある」を見ていると感じてしまう私はやはり不適切にもほどがあるのだろうか?