月曜から水曜日まで、富山県内へ調査の旅に出ていた。地元の人たちもビックリする程の陽気が続き、寒さ対策の重装備をしていった衣類が全くムダになってしまった。


月曜は朝イチの飛行機で富山に飛び、図書館・博物館は休みだろうと思って氷見市の海鮮館まで車を走らせた。その土地の暮らしや文化を知るには市場が最適だから、2時間程、市場・露店の間をうろうろしていた。観音イカの巨大さと、ゲンゲという深海魚の姿にはビックリした。東北地方・太平洋側の魚文化に慣れ親しんだ身には興味深いものばかり。たとえば、あちらに行って塩竃の魚市場に並んでいるものを見れば、こちらの人はビックリするだろうなあ。ホヤなんてものをゴロンとしたまま売ってるのはあの地域ぐらいだろうし。


そんなこんなで魚ばかりを見て午前中を過ごし、午後から新湊博物館に移動して本格的に調査開始。和算家・石黒信由の史料を中心に、残りの2日間、ずっと写真を撮影していた。今回の調査だけで2500枚程撮影したはず。デジタルカメラの威力はすごい。十数年前までのフィルムカメラと比べれば、これとは桁外れの情報量を手にしているだけに、歴史家としての仕事も増えるわけだ。


石黒に至る前田藩周辺の測量術の系譜と内容の推移がだいぶ明らかになり、収穫の多い2泊3日の調査だった。


調査の合間に博物館の外に出て辺りの景色を眺めていたが、富山の平野部から立山連峰がくっきりと見えたのも、この季節としては珍しかったそうだ。


最終日には立山博物館にも足を延ばし、館長はじめ学芸員の方から色々と説明を伺い、立山信仰の奥深さを実感した。もう一度来なければならないだろうなあ。


空港で食べたブリの刺身。刺身と言うよりもブツ切りが皿一杯に盛られて1000円というのは驚異的な安さ。富山の魚は、やはりキトキトでないと。