「マタニティブルーズ」という言葉。

看護師・保健師になるためのお勉強をしていた頃に何度も聞いた言葉で概念としては理解していましたが。

出産後、想定以上にホルモンジェットコースターを駆け降り、不安と焦燥感に駆られ、しんどい日が続いていた最初の一月ガーン

 

地域の専門職の力も借りて、少し立て直しが必要だな。と思ったので、自治体の産後ケア事業を利用することにしました。

 

 

↑産後ケア事業については、こちらの特集がわかりやすかったです!

 

 

2019年の母子保健法の改正によって、出産後1年以内に母子の心身の状態に応じた保健指導や相談を行う「産後ケア」が、市町村の努力義務になったそうです。

 

私が住んでいる自治体では、妊娠にまつわる手続きの一環の中でこの産後ケア事業利用についてもアナウンスがあるのですが、

・心身の健康または育児に対する不安等がある
・不安等について、ご家族などからの支援が受けられない

という利用要件があり、産前は自分ごととしてあまりピンときていなかったのが正直なところ。

 

産後ケア事業ガイドライン

 

 

今回の記事で一番お伝えしたいことは、

 

    

産後ケア最高。

これから妊娠を希望する人や、妊娠中の人、産後でお疲れの人、大切な誰かがこれから妊娠・出産をするという人・・もっと多くの人に知ってもらい、活用されるべきサービス!

 

ってことです。

 

自治体によって設置の仕方は異なりますが、我が自治体の産後ケア事業には、①ショートステイ(宿泊)、②デイケア(日帰り)という二つの利用形態があり、今回は②デイケア(日帰り)利用についてお話しようと思います。

 

この自治体の②デイケア(日帰り)型は、10:00〜18:00の利用で希望に合わせて以下のサービスを受けることができます。

・母体ケア(母体の健康状態のチェック・母乳ケア・骨盤ストレッチ指導)
・乳児ケア(乳児の健康状態、体重、栄養チェック)
・育児相談・授乳相談
・小児科医による健康相談、予防接種相談

 

↑参考スケジュール(自治体資料より引用)

 

ミルク今回の利用目的

産院退院後、こんな小さな命の責任が自分たち夫婦の肩に・・・!と気負い過ぎて、

・母乳とミルクの量これでいいのか問題

・ベッドに置くと絶対ぐずる背中スイッチ問題

・ちょっと小さく生まれたんですけどこの状態健康って言えるんですか問題

に悩み過ぎて、睡眠時間もろくに取れず心身ともに疲れ果てていました・・・チーン

 

なかでも、産前に母乳育児の基本をちゃんと知ろうとしていなかったことも大きく、授乳の考え方がいまいち理解できなくて、

・3時間ごと授乳で入院中からリズムを作ってきたからそこを外れるの心配

・混合栄養、1日の哺乳量の推奨や一回量の推奨はあるけど具体的にいくつずつ足せばいいのかわからない

・そもそも咥えさせ方が浅くてしっかり吸わせてあげれてないのどうしたらいいの

・いつも泣いてるのは母乳が足りないんだろうか、私のこだわりで娘がしんどいのは可哀想悲しい

・・・

悩み事が多過ぎて、3時間ごとにやってくる授乳時間が心身ともに苦痛だったので、まずはこれを何とかしよう!という思いで施設を予約しました。

 

 

 

おすましペガサス施設での過ごし方

産後ケア施設でどんなケアが受けられるのか、1日の流れがわかりやすいように時系列で書いてみようと思います。

 

10:00

施設へ。

まだ一ヶ月健診も済んでいないので、感染リスクを抑えるためにタクシーで向かいましたリムジン後ろリムジン前

前日の受付の際に「早くきてもらってもお待たせしちゃうし、ぎりぎりに来てもらってもいいし、遅れても全然大丈夫ですよ」と言ってもらえたのがとっても有り難かった。

 

直前にオムツかえたり、おっぱい欲しがったり、ギャン泣きしたり、子ども連れの移動ってこんなに時間が読めないものだなんて、出産するまで想像もしていなかった・・・不安

 

猫しっぽ猫からだ猫あたま

 

ベビさんの体重を測ったりしてもらいつつ、この日の利用目的についてヒアリングもしてもらいつつ一緒に考える。

「母乳とミルクのこと考えて頭パンクしそうです・・!」ということを端的に伝え、この日は授乳場面を見ながらこれから一ヶ月健診までのミルク量の調整を一緒にしましょうということに。

 

担当してくださる助産師さんが、「新生児さんは久しぶりよ〜やっぱり可愛いわね〜癒されるわ〜」と何度も言ってくれる。

 

この言葉を何度か聞いて気づいたけど、「この小さな命を守らねば・・」「今何g飲めたん・・この後ミルクどんだけ足す・・?」目の前の数字と緊張に一杯一杯で、ベビさんを可愛いと思う余裕、顔を見て愛でる時間が全然無かったんだな〜なんてもったいないギャンかわ新生児期の過ごし方赤ちゃん泣き

 

10:30

この自治体の日帰り施設は小児科にあるので、小児科の先生にデイケア中に健康状態をみてもらう事が可能です。

HPやWEBインタビューをみて、地域の保健医療福祉に熱心に取り組んでいらして素敵だなぁと思っていた先生にベビさんをみていただく。

一ヶ月健診に近い内容で健康状態と発達を丁寧にみていただき「元気に育っていて良かったねぇ」と言っていただいてホッと一安心ニコニコ

 

11:00

ちょうどベビさんのお腹が空いて、授乳姿勢を助産師さんに見ていただく。

ここまで本当に母乳育児に迷い戸惑い過ぎて、母乳相談ジプシーを産院→産後ケア(宿泊)→産後ケア(日帰り)とし過ぎてしまってやりづらいだろうなぁと思いつつ、「もうどうしていいかわからない・・!」となってしまったので、この日は藁をもすがる思いで相談させてもらいました。

 

うちは出生時ベビさんが2,400gで少し小さかったこともあり、小さいお口を一生懸命に開けてもらってもなかなかうまく咥えさせられないことが大きな悩みでした。

ここでは横で授乳姿勢をみながら具体的な改善点を提案してもらい、授乳のコツが少しずつ見えてきた!

こちらのアプローチが変わるとベビさんも反応が変わり、自分で授乳する時も、少し深く咥えてもらえる回数が増えてきた(すごい!)。

 

授乳は一日8回以上、下手したら15回、20回とある営みなので、ここでつまづくと本当に一日一日を無事に過ごせるか?というレベルで暮らしがしんどくなるんですよ悲しい

時間単位でみてもらう母乳外来だと、最後までベビさん寝ていてこの授乳姿勢の確認ができずじまい、なんてこともあるんですが、この施設は半日利用なので、あと何回か授乳を見てもらえるのもとっても安心。

 

熊しっぽ熊からだ熊あたま

 

空いた時間に、血行促進とリラクゼーションに効果があり保険適用になってるというウォーターベッドのマッサージ機を使わせてもらう。

出産以来の過緊張と日々の授乳姿勢でバッキバキになっていた肩と腰をほぐしてもらい、終わる頃には「あ〜、こんなにこってたんだぁ」と、久しぶりにコリと蓄積した疲れを実感したりしました。

 

12:00

授乳後、ベビさんは安らかにおやすみになっていたので、ママ用の個室でお昼ご飯をいただく。

助産師さんが業務の合間に作ってくれるお昼ご飯は栄養バランスもよく、味付けも健康的で大変に癒される照れ

うちは夫氏がご飯作ってくれるので何とかなってますが、ワンオペで自分のご飯はパン食べて済ませるとかそういう日常を送っている方にとっては、きっと染み渡るんだろうなぁ・・・お茶

 

12:30以降

午後の過ごし方は人それぞれで「休息が欲しい」「育児相談をしたい」などそれぞれの利用目的に応じて自由に組み立てられるみたい。

 

私は今は、「専門家の方と話す時間が心の安心につながる」モードだったので、ママ用の個室ではなく、助産師さんのいるお部屋でベビさんと一緒に過ごさせてもらうことに。

 

ベビさんとのこれまでの関わりをお話したり、助産師さんたちのご自身の子育てのお話を聞いたりしながら、そういえば夫以外の大人と話すの久しぶりだな〜。ってしみじみ思いました。

 

宿泊型の産後ケアを利用した時も思ったけど、赤ちゃんとママに寄り添える仕事って素敵よね。

このデイで働く助産師さんたちがここにたどり着いたヒストリーなんかもお聞きして、産休復帰後の働き方を考えるための良い時間を過ごさせてもらったなあと思います。

 

 

おすましスワン授乳の見通しがつく!

何度か授乳姿勢をみてもらい、咥え方問題については少し道筋が見えてきた。

 

もう一つの問題は、授乳時間・混合で足すミルク量の目安について。

母乳の量が目に見えない中で、栄養が足りなくならないようにミルクを足すって、めちゃめちゃ難易度高いこと要求されてますよね?ってずっと思ってきた。

(実際はそこまで細かく正解の量を与えよではなく、ざっくりこのくらい飲めればいいから神経質にならずに赤ちゃんが求めるときに与えてね、だった)

 

産院の指導では、体重当たりの必要量から算出した一日ミルク量と1日8回授乳とした一回量を教えてもらった。

でも私はまだ母乳量が足りず混合なので、「一回量で考えるならスケールで母乳量測らんと計算できんくない?」思って退院以来ずっと授乳量をスケールで測り、不足分をミルクで足し、もっと母乳量を増やすためにと搾乳をし・・・

 

1日8回を超える授乳機会を、①直母乳②ミルク③ゆとりがある時は搾乳という3セットで回した結果。

とてもじゃないけど時間が足りず、だいぶ神経が削られていた・・・チーン

 

今回は助産師さんと目標設定を「お母さんがよく眠れて元気を回復し、娘ちゃんが健やかに育つ」こととしたので、夜間の睡眠がしっかり取れるようミルクも十分に活用しながらのプランを立ててもらう。

 

ここまで個人にフォーカスして具体的にプランを一緒に考えてもらったのは初めてで、やっとクリアに「いつどのくらい母乳とミルクを与えればいいのか」をイメージすることができ、産後26日目にしてどーにか「授乳を怖いと思わずにベビさんとトレーニングする時間」と前向きに捉えられるようになりました。

 

これまでこの母乳とミルク量どうするか問題で直母乳・ミルク・搾乳の3つを回すために睡眠時間を削られ、悩み過ぎてメンタル削られて日々不安と焦燥感に駆られてきた身としては、この安心感を得られたことはとっても大きかった。

 

最後の授乳姿勢まで丁寧にみてもらい、これから自宅で取り組んでみて、成果を確認する日も決めて、そこまで頑張ってみようねと目標とTODOを確認してこの日のデイケアは結びとなりました。

 

 

ふんわりウイングいつでもどこでも相談できる頼もしい味方

さらに、この施設の助産師さんは区内で開業助産師としても活動されていて、そちらの活動についても情報提供いただく。

 

デイケア等で相談にのれる曜日や時間は限られているから、困ったママたちがいつでも相談できるようにLINE相談の窓口を設けている、とのこと。

 

私のように少し不安が強く、専門職の方に一つ一つ確認しながら進めたい人間は、夜間や土日で役所の窓口が閉まると「・・・ここからは誰にも相談できない時間・・つらい・・滝汗」と勝手に予期不安でさらに情緒が不安定になってしまったりするので、こういったサービスがあるのはとってもありがたい。

 

企業が自分のところの社員向けにこういった相談サービスを福利厚生として用意している会社さんもあるけど、私は個人事業主でこういった支援は全然ないので、ここで出会えて本当に良かったなと感じました。

 

黒猫しっぽ黒猫からだ黒猫あたま

 

ぽってり苺さいごに

 

振り返ってみても、結構危ない感じにメンタル削られていたのでチーン

(産後うつのスクリーニングで使うエジンバラ産後うつ病質問票 余裕で陽性w)

 

私にとっては、

ふんわり風船星自治体の助成で利用できる産後ケア施設が近くにあったこと

ふんわり風船ハートいつでもどこでも相談・質問できる地域の顔が見える助産師さんとつながれたこと

が、産後に赤ちゃんとの新しい生活を作っていく上で大きな支えとなりました。

 

 

まだこの事業は自治体にとっても「努力義務」の段階で、自治体によっても実施状況は様々のようだけど、これから妊娠を希望する人や、妊娠中の人、産後でお疲れの人、大切な誰かがこれから妊娠・出産をするという人・・もっと多くの人に知ってもらい、活用してもらえたらいいな、と利用してみて心から感じました。

 

仕事復帰した暁には、この情報の発信にも何らか関わっていけたら嬉しいな。